人材派遣など5健保が解散 協会けんぽや他組合へ
2019年4月1日 (月)配信共同通信社
全国の派遣社員やその扶養家族約51万人が加入する「人材派遣健康保険組合」(東京)など五つの健保組合が31日、解散した。加入者は4月1日付で中小企業向けの全国健康保険協会(協会けんぽ)や他の健保組合に移る。
解散の主な理由は、高齢者医療を支える拠出金の負担が増え、保険料が上昇しているため。短時間勤務の従業員も健保組合に入るようになり、1人当たりの保険料収入が下がったことも影響した。協会けんぽには保険料抑制のため国から補助金が出ており、移行により労使ともに保険料負担が減るメリットが期待できる。
解散したのは派遣健保のほか、全国の生協(コープ)の従業員ら約16万人が加入する「日生協健保組合」など。日生協健保組合の加入者は全員協会けんぽに移る。協会けんぽへの移行人数はこれまで2014年度の約13万4千人が最多だったが、19年度は既にそれを上回った。
高齢者の医療費は半分程度を現役世代の保険料で賄っている。健保組合連合会(健保連)によると、高齢者医療への拠出金増加で、17年度決算では全体の42%に当たる580組合が赤字となる見通し。団塊の世代が全員75歳以上になる25年以降、健保組合の負担はさらに重くなるとみられる。
健保連によると、保険料率が協会けんぽを上回り、解散が懸念される組合はほかにも300程度あるという。