皮膚の若さ保つ物質発見 傷の治療や老化防止も
2019年4月4日 (木)配信共同通信社
老化で低下する皮膚の再生能力を回復させる物質をマウスの実験で見つけたと、東京医科歯科大の西村栄美(にしむら・えみ)教授(幹細胞医学)らのチームが3日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。物質は2種類で、傷の治療や老化防止に応用できる可能性があるとしている。
見つかった物質は、皮膚の最も外側にある表皮の幹細胞に「17型コラーゲン」を盛んに作らせる働きがあり、今後は人での効果や安全性を確認する。一方、今回の研究成果に便乗した化粧品や健康食品の宣伝も懸念されるとして、西村教授は「コラーゲンを塗ったり食べたりしても幹細胞の中では働かない」と注意を呼び掛けている。
老化による変化が人の皮膚と似ている、マウスの尻尾に着目。紫外線のストレスなどでコラーゲンを作る能力が落ちた幹細胞は排除され、能力の高い幹細胞が残って増えていることが分かった。
排除と生き残りを繰り返していくうちに、残った幹細胞も次第に衰えていき、皮膚は薄く、傷も治りにくくなる老化状態を迎える。
マウスの尻尾に傷を付け、今回見つけた物質を投与して実験。2週間後には傷の8割が回復したが、投与しない場合は6割しか回復しなかった。
2019年4月4日 (木)配信共同通信社
老化で低下する皮膚の再生能力を回復させる物質をマウスの実験で見つけたと、東京医科歯科大の西村栄美(にしむら・えみ)教授(幹細胞医学)らのチームが3日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。物質は2種類で、傷の治療や老化防止に応用できる可能性があるとしている。
見つかった物質は、皮膚の最も外側にある表皮の幹細胞に「17型コラーゲン」を盛んに作らせる働きがあり、今後は人での効果や安全性を確認する。一方、今回の研究成果に便乗した化粧品や健康食品の宣伝も懸念されるとして、西村教授は「コラーゲンを塗ったり食べたりしても幹細胞の中では働かない」と注意を呼び掛けている。
老化による変化が人の皮膚と似ている、マウスの尻尾に着目。紫外線のストレスなどでコラーゲンを作る能力が落ちた幹細胞は排除され、能力の高い幹細胞が残って増えていることが分かった。
排除と生き残りを繰り返していくうちに、残った幹細胞も次第に衰えていき、皮膚は薄く、傷も治りにくくなる老化状態を迎える。
マウスの尻尾に傷を付け、今回見つけた物質を投与して実験。2週間後には傷の8割が回復したが、投与しない場合は6割しか回復しなかった。