がん新薬を青森大拠点に開発へ/瀬谷氏招き
2019年7月17日 (水)配信東奥日報
青森市の青森大学(金井一頼学長)が本年度、免疫の働きを強める新しいがん治療薬の開発を始めることが16日、取材で分かった。腫瘍免疫学の研究者・瀬谷(せや)司氏(68)を今春、北海道大から青森大薬学部に教授として招聘(しょうへい)。新薬開発の拠点となる創薬棟「青森ねぶた健康研究所」を整備し、8月に稼働する。青森大は「ノーベル賞受賞者・本庶(ほんじょ)佑(たすく)京都大特別教授の研究を基に開発された治療薬『オプジーボ』と併せて、免疫力を高める新薬を使うことで、がん治療が大きく前進する」と話している。
青森大の新薬開発研究は、医薬品創出を推進する「日本医療研究開発機構(AMED)」の助成対象となり、本年度から年約1億円の助成を3年間受ける。
瀬谷教授は2004年に北海道大学医学研究科教授に就任し、免疫のアクセルを強め、がん細胞の増殖を抑制する薬(アジュバント)を研究。松本美佐子・北海道大准教授(当時)=現青森大特任教授=との共同研究で、副作用を出さずに、治療効果を出せるメカニズムをマウスを使った実験で証明し、15年に論文発表。特許も出願している。
瀬谷教授は、金井学長との個人的なつながりがきっっかけで今年4月、青森大に着任した。
青森大が新設する研究所では、新薬実現に向け、弘前大医学部などと連携し、人での臨床試験を行える水準までの研究を進め、数年後には、全国の医療施設で臨床試験を行いたい考え。
免疫力をアップさせる新薬が実現すれば、免疫力のブレーキを解除するオプジーボなどの薬(免疫チェックポイント阻害剤)との効果と併せ、がん治癒率が高まる―とみている。また、感染症や生活習慣病治療にも適用できると見込む。
瀬谷教授は「研究中の薬は、毒性(副作用)がない点が大きな利点。未知のチャレンジがたくさんあるが、まずは臨床試験への道筋をつくることを目標にしたい」、金井学長は「青森発の新薬開発で短命県返上に貢献したい」と話した。
同大の三浦裕也薬学部長は「新しい研究所が整備されたことにより、学生は、薬学の基礎から人への応用までを勉強・研究できる。教育の面でも大きなプラスになる」と語った。
同大は8月5日、青森ねぶた健康研究所を関係者に公開する。所長は瀬谷教授が務める。
2019年7月17日 (水)配信東奥日報
青森市の青森大学(金井一頼学長)が本年度、免疫の働きを強める新しいがん治療薬の開発を始めることが16日、取材で分かった。腫瘍免疫学の研究者・瀬谷(せや)司氏(68)を今春、北海道大から青森大薬学部に教授として招聘(しょうへい)。新薬開発の拠点となる創薬棟「青森ねぶた健康研究所」を整備し、8月に稼働する。青森大は「ノーベル賞受賞者・本庶(ほんじょ)佑(たすく)京都大特別教授の研究を基に開発された治療薬『オプジーボ』と併せて、免疫力を高める新薬を使うことで、がん治療が大きく前進する」と話している。
青森大の新薬開発研究は、医薬品創出を推進する「日本医療研究開発機構(AMED)」の助成対象となり、本年度から年約1億円の助成を3年間受ける。
瀬谷教授は2004年に北海道大学医学研究科教授に就任し、免疫のアクセルを強め、がん細胞の増殖を抑制する薬(アジュバント)を研究。松本美佐子・北海道大准教授(当時)=現青森大特任教授=との共同研究で、副作用を出さずに、治療効果を出せるメカニズムをマウスを使った実験で証明し、15年に論文発表。特許も出願している。
瀬谷教授は、金井学長との個人的なつながりがきっっかけで今年4月、青森大に着任した。
青森大が新設する研究所では、新薬実現に向け、弘前大医学部などと連携し、人での臨床試験を行える水準までの研究を進め、数年後には、全国の医療施設で臨床試験を行いたい考え。
免疫力をアップさせる新薬が実現すれば、免疫力のブレーキを解除するオプジーボなどの薬(免疫チェックポイント阻害剤)との効果と併せ、がん治癒率が高まる―とみている。また、感染症や生活習慣病治療にも適用できると見込む。
瀬谷教授は「研究中の薬は、毒性(副作用)がない点が大きな利点。未知のチャレンジがたくさんあるが、まずは臨床試験への道筋をつくることを目標にしたい」、金井学長は「青森発の新薬開発で短命県返上に貢献したい」と話した。
同大の三浦裕也薬学部長は「新しい研究所が整備されたことにより、学生は、薬学の基礎から人への応用までを勉強・研究できる。教育の面でも大きなプラスになる」と語った。
同大は8月5日、青森ねぶた健康研究所を関係者に公開する。所長は瀬谷教授が務める。