島根県が29日、283人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。いずれも28日検査分で、1日の感染者数では27日検査分に次いで過去2番目に多かった。出雲市在住者が165人を占めており、県は市内の事業所で発生した273例目のクラスター(感染者集団)を起点として広がった可能性があるとみている。松江市でもクラスター1件を認定した。
感染した283人のうち出雲市を除く居住地別は松江市61人、安来市19人、雲南市18人、飯南町12人、大田市、江津市各2人、浜田市、益田市、奥出雲町各1人、県外1人。
県は会見を開き、273例目のクラスターとして18日に公表した出雲市内の事業所は、27日時点で職員358人が感染したと発表した。出雲保健所内に対策チームを設けて関係者の検査を進め、封じ込めを図っている。
新たなクラスターとなった松江市内の保育施設は28日までに5人の感染が判明。接触者は特定済みで施設名は公表しない。県内のクラスターの累計は289件となった。
松江市役所の職員、県東部の警察署に勤務する30代男性警察官、雲南消防本部の職員の各1人が感染。業務に支障はない。感染確認により江津市立小学校1校を学年閉鎖、大田市立中学校は学級閉鎖する。両校とも期間は7月1日まで。
28日時点で全ゲノム検査を終えた検体124件のうち、35件(28・2%)がオミクロン株の亜種「BA・5」。ゲノム解析前の検体も、今月18~27日に感染した患者330人のうち173人(52・4%)がBA・5の疑いがあり、置き換わりの傾向が強まっている。
県内の累計感染者数は1万9225人で、29日午前0時時点の確保病床(371床)の使用率は14・0%。宿泊療養は44人、自宅療養は829人。重症者はいない。
(佐々木一全)