新ワクチン接種開始 政府、10月下旬に職場も コロナオミクロン株対応
2022年9月21日 (水)配信共同通信社
新型コロナウイルスのオミクロン株に対応した新ワクチンの接種が20日、青森県弘前市や埼玉県加須市など一部自治体で始まった。4回目接種を受けられるのにまだ受けていない60歳以上や医療従事者らを優先し、準備できた自治体から順次開始する。今後、従来品を2回以上接種した12歳以上の全ての人に対象を広げる。政府は職場接種を10月下旬から実施する方針。年末年始の流行の可能性に備え、希望者への年内の接種完了を目指す。
職場接種の方針は加藤勝信厚生労働相が記者会見で明らかにした。加藤氏は「1日100万回を超えるペースの接種体制を整備し、接種を加速していきたい」と述べた。
オミクロン株の「BA1」に対応した米ファイザー、モデルナ両社のワクチンを使う。厚労省は現在国内で主流の「BA・5」にも効果を見込む。接種間隔は前回から5カ月以上。3カ月以下の国もあり政府は短縮を検討している。これまで通り無料で受けられる。
20日に開始した東京都港区の会場では、アルバイト三浦政彦(みうら・まさひこ)さん(76)が従来品による4回目の予約をキャンセルし、オミクロン株対応品の接種を受けた。「はやっているものに対応している方がいい。必ず感染しないわけではないが、人にうつさないように打ちに来た」と話した。
弘前市の沢田内科医院でも開始。前院長で弘前市医師会長の沢田美彦(さわだ・よしひこ)さん(70)は「ワクチンで抗体をつけるというやり方で日本の死者数は比較的抑えられている。一人でも多くの人に打ってほしい」と語った。
政府は12歳以上への拡大のめどを10月半ばとしているが、自治体判断で前倒しできる。東京都文京区は22日から4回目だけでなく3回目の未接種の人も、集団接種予約済みであれば新ワクチンに切り替えて打つ。
21日から都内では江東区が集団接種会場、葛飾区が高齢者施設で、京都市も高齢者施設でそれぞれ進める。福島県南相馬市(24日)、宇都宮市、長崎市(25日)、山形、水戸、岐阜県中津川、高知、熊本の各市(26日)など各地で月内に開始を予定。自衛隊による東京と大阪の大規模会場では10月3日から始める。