産科診療における感染防御ガイド~2022年版
■作成にあたって
施設の規模に関わらず、分娩施設においてCOVID-19感染にどう対応していくかは大きな課題となっています。可能な限り感染症対策に秀でた施設への入院が患者と医療者双方に利点があるのは自明です。ただし、オミクロンにおける妊産婦の重症化率を考慮すると、長時間をかけて搬送先を探す方が産科的急変のリスクが増す可能性があります。例えば軽症患者の搬送先が見つからず、陣発後の胎児心拍モニターを付けずに車中分娩に至るケースなどを考えると、感染症以上に搬送のリスクが高いと思われます。たらい回しなどの誹りを決して受けてはなりません。地域によってはルールが確立されており、そのような心配のないところもあると思います。しかし、次にどのようなCOVID-19 の波が来るかは予想できません。次の大きな波に備えて本ガイドが役立つことを願います。
今回は感染症対策の専門家や新生児への対応をする小児科医にも執筆を依頼しました。内容は順次できあがったところから公開します。まとまりましたら、いつでも手にとれるように小冊子として会員に配付予定です。
■掲載内容(タイトルは変更する可能性があります)
- アンケート結果の分析
- オミクロン株以降の重症化率と分娩進行中の搬送のリスク
- 自施設でCovid19感染妊婦の診察、分娩をする場合の感染防御
1)個人防護具(PPE)
・処置前、処置中
・処置後
2)換気
3)分娩室での注意事項
4)退室後の環境整備
5)院内の患者移動
6)病棟個室での対応
7)外来診察室での注意事項
8)退院時の指導
9)新生児の隔離について - 経腟分娩か帝王切開術か