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踏切で倒れた男性は腰痛めて動けず、看護師が「手を貸して」…警報音鳴る中で3人で救出

2022年10月26日 21時37分39秒 | 事故事件訴訟
踏切で倒れた男性は腰痛めて動けず、看護師が「手を貸して」…警報音鳴る中で3人で救出
 2022年10月26日 (水)配信読売新聞

 踏切で転倒して動けなくなっていた高齢男性を果敢に助け出したとして、兵庫県警宝塚署は24日、宝塚市在住の看護師佐藤有美さん(38)に感謝状を贈った。遮断機が下りかける中で、周囲の人に的確に協力を求めた救出劇だった。(高部真一)
 9月26日午後2時10分頃の出来事。佐藤さんは夜勤明けで、自転車のタイヤの空気を入れようと近くの自転車店に向かっていた。阪急山本駅西側にある最明寺踏切内で線路のくぼみに足を取られた男性(68)がうつぶせに倒れているのを見つけ、自転車を降りて駆け寄った。「大丈夫ですか」と声をかけ、連れ出そうとしたが、男性は腰を痛めて動けなかった。
 「手を貸してください」。佐藤さんは大声を出し、近くにいた若い男性と60歳くらいの女性に助けを求めた。それぞれが手をかける体の部位を決め、3人がかりで抱え上げた。その最中に警報器が鳴り出し、踏切の外へ運んだ直後に遮断機が下りたという。男性は駆け付けた交番勤務の署員の119番で病院に搬送され、大きなけがはなかった。
 佐藤さんは看護師歴13年で、民間病院で救急外来を担当。日頃から横断歩道などを歩いているお年寄りに気を配り、何かあれば手を差し伸べようと心掛けているといい、「踏切での死亡事故のニュースを聞くと『何とかならなかったのか』と思うことがありました。男性が無事でよかった」と話していた。
 田村隆清署長は「何か起きた時、とっさに行動するのはむずかしい。1人ではできないと判断して周囲の人にきちんと指示を出し、市民の命を救ってくれた。感謝している」と冷静な対応をたたえていた。

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