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マスクで保育 不安と葛藤…子の異変気付きにくい 感染したら責められる

2022年11月13日 19時14分57秒 | 仕事
マスクで保育 不安と葛藤…子の異変気付きにくい 感染したら責められる
 2022年11月12日 (土)配信読売新聞

 マスク生活が長期化する中、幼稚園などでは、マスク着用により、子どもの体調変化などに気付きにくいといった不安の声があがっている。感染予防のため、簡単には外せないという意見も根強く、葛藤を抱えながら模索を続ける現場を取材した。(山田朋代)
 「今日は体操の日なので、マスクを外してお外に出ましょう」。10月中旬、茨城県日立市の「諏訪かおる幼稚園」で教諭が呼びかけると、子どもたちはマスクを外して、園庭に飛び出した。同園では、昼食と運動時以外は、ほとんどの子がマスク姿で過ごす。
 そんな中、同園では昨年、マスク下で年中児がばんそうこうを口に含んでいたり、年少児がお弁当のソーセージを口に入れたまま帰宅したりといった事態が発生。園長の小野芳樹さん(50)は、「誤飲の可能性もあり、危険を感じた。マスクがあると、子どもの異変に気付きにくい。コロナ禍の保育の困難さはどの園でも感じているはず」と話す。
 同園は5月、県内の私立幼稚園など186園にアンケート調査を行い、教諭ら153人の回答を得た。「マスクをしていて保育の難しさを感じたことがあるか」の問いには、9割が「ある」と答えた。
 調査結果は、7月下旬の同県私立幼稚園の研究会で発表した。回答には、「基礎疾患のある子どもの唇の色の変化に気付くのが遅れた」「マスクの中に少量 嘔吐おうと したが、気付かなかった」などの事例もあった。一方で、「集団感染が起きたら責められるのは保育者だ」「マスクなしの園生活に戻したいが踏み切れない」など、不安や葛藤を打ち明ける声も少なくなかった。
 大阪市の認定こども園「あけぼのほりえこども園」では6月から「マスク自由化」に踏み切った。園内では子ども本人や職員の意向を尊重。9割以上がマスクを外している。
 同園では、マスク生活になって以降、職員の表情や話をつかみ取れず、活動に入れない子や、子ども同士のささいなけんかが頻発。着用を任意にしてからは、指示を理解できる子が増え、子ども同士の関わりも活発になったという。
 園長の安家力さん(41)は、「着ける、着けないの価値観が二分化する中、子どもの成長に何が大切か、議論を重ねた。互いの表情が読み取れる利点は大きい」と力を込める。
柔軟な対応を
 京都大教授(発達科学)の明和政子さんによると、視覚や聴覚の情報を主に処理する脳の部分は就学頃までに成熟するため、乳幼児期に他者の多様な表情を見たり、まねたりする経験が重要だという。明和さんは、「感染が落ち着いている時はマスクを外し、再び流行すれば着用するなど、柔軟な対応があっていい」と強調する。
 2歳以上の未就学児のマスク着用について国は、「一律の着用は求めない」との方針を示しているが、明和さんは、「園に任せるだけでなく、国は子どもの成長という長期的な視点から議論し、方向を示すべきだ」と指摘する。

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[コロナ警告]医療の狭間<2>感染症医 育成進まず…「終わった学問」不遇の歴史

2022年11月13日 19時07分22秒 | 仕事
[コロナ警告]医療の狭間<2>感染症医 育成進まず…「終わった学問」不遇の歴史
 2022年11月12日 (土)配信読売新聞

 コロナ禍で最も病床が逼迫した昨夏の第5波、一人の男性医師が退職した。感染症の専門医だった。
 男性医師が勤務していた首都圏の民間病院は第5波から自治体の要請で新型コロナウイルス患者の受け入れを始めた。担当となった男性医師は、内科医の助けも借り治療にあたったが現場が回らず、院長に人手の相談をすると思わぬ一言を受けた。「ほかの医師は忙しいんだ」
 感染症医は、患者の診療だけでなく、治療法のアドバイスなど他の医師の支援・指導も行う。感染症流行時に院内の感染対策や診療態勢を構築する役割もある。こうした役割を担う医師は「ドクターズ・ドクター」とも呼ばれる。
 男性医師は、複数の医師による診療態勢を進言したが拒否され、「一部の医師に押し付けるようなやり方は、いずれ破綻する」と希望を失い病院を辞めたという。
 この事例を知る埼玉医科大総合医療センター(埼玉県川越市)の岡秀昭・感染症科教授(47)は「感染症医の役割が十分に理解されていない医療現場は少なくない」と指摘。それが、コロナで病床の拡充が進まない一因にもなったとみる。
司令塔役
 感染症医の人数は少ない。
 日本感染症学会が認定する「感染症専門医」は1688人(11月1日現在)で、医師全体の1%以下だ。指定感染症の受け入れ先となる「感染症指定医療機関」(のべ409か所)でも6割が専門医不在だ。
 しかし、コロナ禍のように多くの病院が感染症患者を受けざるを得なくなる時、感染症医は重要になる。
 最大150床のコロナ病床を設けた奈良県立医科大学付属病院(橿原市)では、「感染症センター」の医師が専門外の医師向けにマニュアルを作り、眼科や産婦人科など、ほぼ全ての診療科がコロナ診療に加わる態勢作りをサポートした。非内科系の医師は「センターを司令塔に病院全体でここまで乗り切れた」と話す。
 センターは、コロナ病床を設ける県内の医療機関の指導も行っており、県の担当者は「病床を拡充する上でありがたかった」と語る。
 「専門外」の病院がノウハウを学び、コロナ患者を受け入れた事例もある。
 関東脳神経外科病院(埼玉県熊谷市)は2020年春、コロナ病床を開設。その際、重症急性呼吸器症候群(SARS)への対応経験がある地元の感染症医を招き、感染者が利用する区画と、その他の区画を分ける「ゾーニング」や防護服の着脱の指導を受けた。
 脳神経外科医の清水暢裕院長(47)は「治療は調べて学んだ知識と急性期医療の知識で、ある程度対応できた。最初に感染対策で助言を受けられたのが大きい」と振り返る。
 最大20のコロナ病床でこれまで約900人を受け入れたが、病棟での看護師らの感染はゼロだという。
立て直し急務
 感染症医の活用が進まず、数が少ない背景を同学会理事の山本善裕・富山大教授は「感染症医は診療報酬で病院に貢献しにくく、冷遇されがちだった」と説明する。
 腫瘍を摘出する内視鏡手術、がん患者のための高度な放射線治療などには高い診療報酬点数が付く。感染症医にはこうした手技がなく、他の医師からの相談に応じても加点はない。指定医療機関でも専門医の配置は必須ではない。
 学問として軽視されてきた歴史もある。結核、赤痢など、人々を悩ませた感染症に効く抗菌薬(抗生物質)が登場。1970~80年代以降、「終わった学問」とみられた時期があった。同学会によると「感染症」の名が付く講座がある医学部は6割にとどまる。
 同学会は300床以上の各病院への専門医の配置が望ましいとするが、新たに2000人前後が必要で、厚生労働省の助言機関メンバーの舘田一博・東邦大教授(感染症学)は「パンデミックに対応するには人材育成を改めて考えることが不可欠」とする。
 コロナ禍を受け、鳥取県や岐阜県など大学に寄付講座を開設、専門医育成に乗り出した地域もある。
 次の感染症に備え、取り組みを進める必要がある。

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新型コロナ 「フルロナ」県内初確認 30代男性、インフルと同時感染 /奈良

2022年11月13日 18時50分48秒 | ウイルス
新型コロナ 「フルロナ」県内初確認 30代男性、インフルと同時感染 /奈良
 2022年11月12日 (土)配信毎日新聞社


新型コロナ:新型コロナ 「フルロナ」県内初確認 30代男性、インフルと同時感染 /奈良
 県中部の医療機関を11日午前に受診した30代の男性が、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザに同時感染する「フルロナ」と診断されたことが、医療関係者への取材で判明した。県内で同時感染例が確認されるのは初めて。
 男性は38・7度の高熱や激しい頭痛、せきの症状を訴えて受診。インフルエンザB型と新型コロナの両方に感染していることが確認され、医師はインフルエンザ治療薬「タミフル」を処方した。男性は自宅で療養しているという。【久保聡】

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【滋賀】開業医荒らし多発、被害の院長「防犯カメラ8台で万全と思っていた」…夜間無人・レジに現金

2022年11月13日 11時33分23秒 | 事故事件訴訟
【滋賀】開業医荒らし多発、被害の院長「防犯カメラ8台で万全と思っていた」…夜間無人・レジに現金
 2022年11月9日 (水)配信読売新聞

 個人経営のクリニックなどに侵入して現金を盗む「開業医荒らし」が相次いでいる。今年に入り、滋賀県内での開業医の侵入窃盗被害(未遂含む)は15件に上り、このうち甲賀署管内では10月中旬の2日間で立て続けに3件発生。夜間は無人でレジに現金を置きがち――など開業医特有の形態が狙われている可能性があり、県警が警戒を強めている。
 「防犯カメラを8台つけ、万全と思っていただけに、まさか被害に遭うとは……」
 10月18日未明、甲賀市内で開業するクリニックで被害に遭った院長が嘆いた。
 院長によると午前2時45分頃、何者かが正面の自動ドアをバールのようなものでこじ開けて侵入。受付のレジが壊され、現金数万円が盗まれたほか、院長室内の机の引き出しなども荒らされていた。
 警備システムの警報機が作動して警備会社からの連絡で院長も急行。同3時過ぎに到着すると、すでに甲賀署の警察官がいたが、現場に犯人の姿はなかった。
 防犯カメラ映像などから容疑者は3人組とみられ、車で駐車場に乗り付けていた。うち2人が現場周辺を物色したり、短時間で院内を荒らしたりしている点など、手口が手慣れている様子だったという。
 同署管内では10月18日と20日に、この件を含め、甲賀市内の歯科医院で数十万円が盗まれ、湖南市内の医院も侵入被害に遭っており、同一犯の可能性もある。
 県警によると県内では今年、歯科やクリニック、動物病院など開業医を狙った計15件の侵入窃盗被害が出ている。警備員や医療スタッフが常駐する総合病院と違い、夜間が無人で受付のレジに釣り銭用の現金を置いたままにすることのある個人経営の医院などが狙われている可能性がある。
 甲賀市は10月下旬、甲賀署の依頼を受け、緊急メールを登録者約5000人に送信。夜間、レジに現金を残さないことや補助錠の設置、自動ドアの持ち上げ防止金具の取り付けなど防犯対策の徹底を呼びかけた。

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