小松市民病院の看護師集まらない 採用試験の年齢拡大、49歳まで 離職休職多く「再就職の検討を」
2022年11月28日 (月)配信北國新聞
小松市が市民病院の看護師確保に頭を悩ませている。新型コロナなどの影響でより多くの人材が必要となる中、27日に実施する採用試験の受験資格年齢を49歳までに緩和した。対象年齢の拡大は今年に入って3回目で、昨年度と比べて15歳も引き上げられた。ただ、12人程度の募集に対し今回の応募は4人にとどまり、安定した病院運営に向けて苦しい状況が続いている。
市民病院では現在、看護師、准看護師、看護補助者の計約350人が勤務しており、うち約100人を会計年度任用職員が占める。女性の割合が多い看護師では現状、出産、育児、介護などを理由に離職や休職するケースが多く、入れ替わりが激しい。近年はコロナの感染拡大で、夜勤を行える正規職員の負担が重くなったことから離職した人もいるとみられる。
同病院は必要に応じて同任用職員を雇っており、現状で業務に大きな支障はないが、負担軽減には正規職員の確保が欠かせない。
同病院の職員定数は430人。医師や薬剤師、事務職員なども含まれており、看護師の定数は決まっていない。医療体制や休職者の数に応じて、年度当初に正規職員の募集人数を定めている。
市は今年度、23人程度の正規職員を採用するため6月と9月に採用試験を行った。より多くの受験者を募ろうと、昨年度は34歳までだった受験資格年齢を今年6月の試験で39歳、9月試験で44歳に設定した。6月試験では来春採用の11人を内定したが、9月試験では残る12人程度の募集に対して応募はゼロだった。
27日に実施する3回目の試験では、対象年齢を49歳までに拡大したところ、40代を含む4人の申し込みがあったが、枠を満たすまでにはいかなかった。
市内では公立小松大が今年3月に初の卒業生を送り出したが、保健医療学部から市民病院に就職した人数はゼロだった。
市の担当者によると、県内のどの病院でも正規職員の看護師が不足しており「人員確保に苦心している。子育てが一段落した世代の看護経験者に再就職を検討してほしい」と話した