高難度3手術同時成功 長野県立病院、世界初
地域 2022年11月17日 (木)配信共同通信社
長野県立こども病院(長野県安曇野市)は16日、指定難病を含む二つの先天性疾患を抱える生後8カ月の女児に対し、9月に3手術を同時に行い、世界で初めて成功したと発表した。術後の経過は良好で、女児は17日に退院する予定。今後の診断で異常がなければ、日常生活に支障はなくなるという。
女児の病気は心臓の左右の心室が入れ替わり、心不全や不整脈を発症する恐れがある指定難病の「修正大血管転位症」と、下半身に十分な酸素を含む血液が送れず、生命の維持が困難になる「大動脈弓低形成」。二つの疾患を別々に手術したケースが欧米では数例あるが、同時手術の実施例はなかった。
記者会見した竹内敬昌(たけうち・たかまさ)副院長は「極めてまれな病例だ。今後も重篤な病気を持った方の治療に当たり、それがうまくいくよう、(院内の)チーム力を発展させていく」と語った。女児と家族も同席。父親は「病院には感謝の気持ちしかない」と述べ、女児も声を上げるなど元気な様子を見せた。