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高額寄付問題 被害救済へ法整備を急ぎたい

2022年11月21日 15時59分36秒 | 事故事件訴訟
高額寄付問題 被害救済へ法整備を急ぎたい
2022/11/20 05:00

 不安をあおって多額の寄付を集める悪質な活動を野放しにはできない。政府と与野党が知恵を絞り、被害の救済につなげていく必要がある。

 政府が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を受け、不当な寄付の勧誘を禁止する新法の概要を与野党に提示した。今国会での成立を目指している。
 旧統一教会を巡っては、高額な商品の購入を迫る「霊感商法」などのトラブルが相次いできた。安倍元首相の銃撃事件をきっかけに、親が多額の寄付を重ね、子供が生活に困窮するといった深刻な被害が浮き彫りになった。
 被害救済と再発防止に向けて、与野党が協力する意義は大きい。政治的な駆け引きを排し、法整備に取り組むことが重要だ。
 政府は新法で、「先祖が苦しんでいる」などと不安をあおって寄付を勧誘する行為を禁止する方針だ。宗教団体などが信者に借金や不動産売却を求め、資金を調達することも禁じる。違反があれば、寄付を取り消すことができる。
 団体が禁止行為を繰り返した場合、国が停止を勧告・命令し、応じなければ刑事罰を適用する。
 信者やその家族を破産に追い込むような行為は許されない。卑劣な手口を封じる狙いは妥当だ。
 焦点は、信者本人に代わって配偶者や子供が、寄付を取り消せるようにするかどうかだった。立憲民主党などが求めていたが、政府・与党は、本人の財産権を侵害しかねないとして慎重だった。
 政府は新法の概要で、子供の養育費などを保全するため、家族が寄付を取り消せる仕組みを導入する方針を示した。
 民法は、債権者が自らの財産を保全するため、債務者に代わって代金などを回収する「債権者代位権」を定めている。政府はこの規定を参考にしたという。
 憲法が保障する財産権を侵害しないよう留意しつつ、幅広く救済できる方法を検討してほしい。
 立民党と日本維新の会は、寄付額に「年間の可処分所得の4分の1」などの上限を設けるよう主張している。宗教団体が信者の収入を把握することにならないか。
 新法とは別に、政府は、霊感商法による契約を取り消せる期間を最長10年に延長する消費者契約法改正案を国会に提出した。時効が成立していない契約については、 遡そ及きゅう して期間延長を適用する。
 実現すれば、救済できる被害者の範囲が広がるだろう。政府と与野党が協力し、早急に法整備を図らねばならない。

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講演会:「認知症、不幸じゃない」 妻みとった男性が講演 橿原 /奈良

2022年11月21日 13時20分54秒 | 介護福祉高齢者
講演会:「認知症、不幸じゃない」 妻みとった男性が講演 橿原 /奈良
 2022年11月20日 (日)配信毎日新聞社

講演会:「認知症、不幸じゃない」 妻みとった男性が講演 橿原 /奈良
 認知症当事者らが体験を語る講演会が19日、県橿原文化会館(橿原市北八木町3)であり、若年性認知症の妻を10年間の介護の末にみとった大淀町の元自衛官、正楽忠司さん(73)が演壇に立った。正楽さんは介護を通じて得られた人生観や出会えた人などのことを紹介し、「不便ではあっても、決して不幸ではない」と訴えた。
 講演会は認知症家族の自助団体「認知症家族交流会なないろ」(橿原市)の主催。
 正楽さんが妻博子さんの変化に気付いたのは、2003年に陸上自衛隊を定年退職して間もなくのことだ。05年には若年性認知症と診断され、「真面目に生きてきたのにどうして」と泣きじゃくる博子さんに、かける言葉が見つからなかった。
 それからは病気の進行を遅らそうと懸命に支え、「生きていても仕方ない」と泣く博子さんを励ました。しかし、診断の5年後には意思疎通が難しくなり、入院を余儀なくされた際には無力感と罪悪感で涙を流した。
 肺炎を繰り返した博子さんは診断からちょうど10年後の15年4月、66歳で息を引き取った。自助団体に出会ったことで救われたという正楽さんは「先行きの見えない中で介護する家族も当事者。完璧を求めず、相談してほしい」と話した。【稲生陽】

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