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「ゲノム編集iPS」23年にも提供開始…世界中の人に適合へ、山中氏「これから正念場」

2022年11月27日 22時43分45秒 | 医療情報
「ゲノム編集iPS」23年にも提供開始…世界中の人に適合へ、山中氏「これから正念場」
2022年11月27日 (日)配信読売新聞

 ゲノム編集を応用して、より多くの人に適合するようにした医療用のiPS細胞(人工多能性幹細胞)について、京都大iPS細胞研究財団は26日、2023年5月にも産業界に提供を始めることを明らかにした。治験などで安全性や有効性を検証し、実用化につなげる。最終的には世界中のほとんどの人に適合させたい考えだ。
 iPS細胞を利用した再生医療では、血液などからiPS細胞を作り、筋肉や、神経などの細胞に変化させて患者に移植する。患者本人から作れば拒絶反応は避けられるが、iPS細胞の作製だけで1人あたり数千万円以上の費用と半年以上の時間がかかる。
 同財団は、拒絶反応を起こしにくい特別な「細胞の型」を持つ健康な人の血液からiPS細胞を作製して備蓄。21年末までに7人の血液から27種類を作ったが、適合するのは日本人の約4割にとどまっている。
 そこで、この割合を高めるため、ゲノム編集の応用を検討。細胞の型を決める遺伝子の一部を改変し、誰にでも使えるiPS細胞の開発を試みてきた。動物実験を重ね、医療用に提供できる見通しが立ったという。治験などでゲノム編集したiPS細胞が移植される予定だ。種類を増やして、最終的には世界中の人への適合を目指す。
 同財団の山中伸弥理事長は26日、京都大で講演し、「研究開発はこれからが正念場。患者に届けるというゴールに向けて頑張りたい」と語った。
◆ ゲノム編集 =生物のゲノム(全遺伝情報)の一部を狙って改変し、特定の遺伝子の働きを変える技術。効率的な改変が可能な手法「クリスパー・キャス9」を開発した米仏出身の研究者2人は、2020年のノーベル化学賞を受賞した。

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