Mars&Jupiter

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クセナキスの「ナーマ」を聴きながら、西谷から希望が丘まで歩く

2008-04-28 05:18:01 | 古典~現代音楽フランス編
昨日は西谷駅から希望が丘駅を歩きました。
途中聴いたのは、クセナキスの「ナーマ」などの作品である。
1922年ルーマニアで生まれたヤニス・クセナキスは、
両親がギリシア人であり、第2次世界大戦中には、
ギリシア国内で、レジスタンス運動にも加わったりしたようだ。
若い頃数学と建築を学び、1950年代には建築家ル・コルビュジェの助手として、
亡命先のパリで活動し、この時メシアンに作曲を師事する。
その後生涯の大半をフランスで過ごしたことから、
ここではフランスの作曲家としてとりあげようと思う。

「ナーマ」と「ホアイ」はハープシコードのための作品で、
「ナーマ」1984年に作曲され、「ホアイ」は1976年に作曲された。
古楽器演奏でよく聴くハープシコードの雅な感じとは違い、
「ナーマ」では電子音楽のように無機的な音を奏でる。
まるでコンピュータ・ゲームのサウンドのようでもあり、
強烈なリズムとともに音の各要素同士がぶつかりあう感じだ。
緊張した状態が持続しつつ、15分近く演奏される。
「ホアイ」を聴くと一層強く感じるのが、
電子音楽を得意とする彼のもう一つの挑戦が、
電子音楽のように聞こえるが、そうではない作品を
作ることにあったのかと思わせるもので、その方法のために
彼が選んだ楽器がハープシコードだったのかと感じさせる。

「ゴレ島にて」は1986年に作曲された。
ハープシコードと小編成のアンサンブルのための作品で、
先ほどのハープシコード独奏の曲よりも、
他の楽器が加わったこので、色彩豊かな曲となっている。
「コンボイ」は1981年に作曲されている。
パーカッションが加わるだけでも、曲に深みが増す。
ハープシコードの演奏するのは「ナーマ」などと、
似た感じではあるが、強烈なリズムが刻まれると、
そこに「ナーマ」と「ホアイ」にみられない
作曲家の別の側面を知ることができるような気がする。

クセナキスを1年くらい前に聴いた時は、
音楽が自分の理解力を超えていて、
長い時間聴くことができなかった。
今回改めて聴いてみたが、何とか最後まで聴くことができた。
決してこの音楽は癒しの曲ではない。
コンピュータ音楽、電子音楽が実験的に作られた
20世紀という時代の音楽空間を代表する作品であろう。
それにしても昔のハープシコード奏者たちから見ると、
こんな使われ方をされるとは想像できなかっただろう。

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