Mars&Jupiter

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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第8番ハ短調作品65を聴く

2016-04-19 06:27:44 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1943年に作曲した交響曲第8番ハ短調作品65である。
聴いたCDはエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による。
第一楽章アダージョ-アレグロ・ノン・トロッポは、
低弦による重々しい旋律にヴァイオリンが対話するように始まる。
この序奏が終わるとヴァイオリンが叙情的な旋律を奏でる。
これが繰り返されたあと、次に別の旋律がヴァイオリンにより現れる。
戦争での悲劇を回想するかのように、明暗の部分が交互に現れる。
金管楽器と打楽器により、徐々に荒々しくなっていき、
盛り上がりをみせクライマックスを築いたあと静まり、
弦楽器のトレモロの上でイングリッシュ・ホルンが、
悲しげな旋律を奏でていき、そのあとは前半の重々しい感じが続き、
トランペットが冒頭の主題を奏で、ヴァイオリンがそれを引き継ぎ、
トランペットの音が再び現れ、最後弦楽器のみで静かに終わる。

第二楽章アレグレットは、スケルツォ的な要素を持つ楽章で、
行進曲風の旋律が荒々しく、そして力強く奏でられて始まる。
そしてリズミックなピッコロの旋律が現れ、
他の木管楽器がこれに絡み合って進んでいき、
そのあとは金管楽器が加わって盛り上がり、
再び冒頭の行進曲風の旋律が現れ、繰り返され、
フルートなど木管楽器がそのあとを継いで、
最後はトランペットなど金管楽器により盛り上がって終わる。
第三楽章アレグロ・ノン・トロッポも、行進曲的で、
スケルツォ的な要素を持つ楽章で、
せわしなく動くヴァイオリンの音型の上で、
木管楽器と金管楽器が主題を奏でていく。
リズミックで、疾走感のある音楽である。
中間部ではトランペットの音が鳴り響き、軽快な旋律を奏で、
再び冒頭の行進曲風の旋律が繰り返され、次の楽章に切れ目なく続く。
第四楽章ラルゴは、パッサカリア形式で書かれており、
弦楽器により奏でられた悲哀のある主題をもとに、
十一の変奏が展開され、そのまま切れ目なく次の楽章に続く。
第五楽章アレグレットは、ファゴットの軽快な旋律で始まる。
それを弦楽器が引き継いだあと、フルートがそれを引き継ぎ、
再び弦楽器が旋律を引き継ぎ、リズミックにそして、
あるところではフーガ風に展開していく。
そして第一楽章冒頭の主題が突現現れるここでは明るさを持っている。
そのあとバス・クラリネットが、旋律を奏でて冒頭の部分に戻り、
弦楽器が繰り返す3つの音型(ハ・ニ・ハ)とともに静かに終わる。
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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第15番イ長調作品141を聴く

2016-04-17 21:46:15 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1971年に作曲した交響曲第15番イ長調作品141である。
聴いたCDはクルト・ザンデルリンク指揮、
ベルリン交響楽団の演奏による。
第一楽章アレグレットは、フルートの軽やかな旋律で始まる。
そしてファゴットがそれを引き継ぎ、滑稽な感じでもある。
ロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲のフレーズも現れ、
打楽器と木管楽器が活躍するこの室内楽的な感じは、
ニールセンの交響曲第6番を感じさせるものでもある。
ロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲のフレーズは何度も現れ、
無邪気なショスタコーヴィチの幼少期を示しているのかもしれない。
最後は盛り上がりをみせていき、最初の主題をもとに爽やかに終わる。

第二楽章アダージョ-ラルゴ-アダージョ-ラルゴは、
金管楽器によるコラール風の旋律で始まる。
そのあとチェロ独奏が歌うように旋律を奏でていく。
金管楽器によるコラール風の旋律とチェロ独奏による旋律は繰り返される。
その後、コラール風の旋律は再び奏でられる中、盛り上がりを見せたあと、
再び静かになり、チェロ独奏が活躍し、
ティンパニが弱音で葬送的な音を示していく。
第三楽章アレグレットは、軽快な感じの旋律が奏でられていくが、
ややグロテスクな感じのスケルツォとなっている。
木管楽器と打楽器が活躍し、舞踏風で面白い感じである。
第四楽章アダージョ-アレグレット-アダージョ-アレグレットは、
金管楽器のコラール風の旋律で始まり、弦楽器による舞踏風な旋律を奏でる。
ここの部分は作曲者のたどってきた人生への回顧だろうか。
引用される旋律でハイドンの交響曲第104番の動機が繰り返され、
クライマックスを築いたあと、いったん静まり弦楽器と木管楽器の部分となる。
金管楽器のファンファーレ風の旋律のあと、
弦楽器による舞踏風の旋律が奏でられて、チェレスタが奏でる旋律と、
ハイドンの交響曲第104番の動機と第一楽章の冒頭の旋律が絡んでいく。
最後は打楽器と弦楽器の響きだけが残り、静かに終わる。
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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第3番変ホ長調「メーデー」作品20を聴く

2016-04-16 07:22:12 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1929年に作曲した交響曲第3番変ホ長調「メーデー」作品20である。
聴いたCDはゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、
アカデミー・ロシア共和国合唱団、ソ連国立文化省交響楽団の演奏による。
単一楽章制の交響曲で、合唱を伴った作品である。
クラリネット・ソロの明るい響きで始まる。
それがクラリネットの二重奏となり、
さらにトランペットが入り、音楽は一転し、
荒々しく騒がしい感じになり、軽快な旋律が奏でられ、
ショスタコーヴィチらしい音楽となっていく。
フーガ風な展開がみられ、木管楽器の扱いが面白い。
やがて、打楽器の鳴り響く中、金管楽器がユニゾンで旋律を奏で、
盛り上がりをみせていき、そのあと低弦のうなるような音と、
ファンファーレ風の旋律を奏でる金管楽器のやりとりが交互に続き、
そのあとキルサーノフの詩に基づく合唱の部分に入る。
「最初のメーデーの日」と歌って始まるこの合唱に、
オーケストラが絡み合いながら、力強い音楽が続いていく。
最後はトランペットが鳴り響き、盛り上がったところで終わる。
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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第10番ホ短調作品93を聴く

2016-04-13 06:26:50 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが、
1953年に作曲した交響曲第10番ホ短調作品93である。
聴いたCDはパーヴォ・ヤルヴィ指揮、
シンシナティ交響楽団の演奏による。
第一楽章モデラートは、低弦の重々しい音型で始まる。
音型の繰り返しの中、クラリネットが寂しげな旋律を奏でていく。
やがて、金管楽器と打楽器が加わり、盛り上がりを見せ、
そのあと再び沈み込んだような旋律が繰り返され、
今度はフルートが新たな旋律を奏でて、
これを弦楽器が引き継ぎ、盛り上がっていく。
その後これらの旋律をもとにした展開部に入り、
徐々に盛り上がりをみせていき、最高潮に達する。
高揚する部分と静まった部分を繰り返しながら、
最後は冒頭部分の音型が繰り返され、静かに終わる。
第二楽章アレグロは、弦のせかすような音型に乗り、
狂乱したような荒々しい旋律が奏でられる。
駆け抜けていくような疾走感のある音楽である。
この楽章についてはクールな感じのヤルヴィ盤よりも、
狂乱ぶりを伝えるムラヴィンスキー盤の方がいいと思う。

第三楽章アレグレットは、舞踏風の旋律で始まる。
木管楽器、弦楽器全体とその旋律を引き継いでいく。
ホルンの音が何かを思い起こさせるような感じで繰り返される。
舞踏風の旋律が再び現れて、お祭り騒ぎのような感じの中、
その旋律が繰り返されながら、徐々に荒々しい感じになっていく。
舞踏的な旋律を奏でる弦楽器とそれに絡んでいく金管楽器、
この扱いについてはヤルヴィ盤はなかなか明快でいいと思う。
再びホルンが響き、舞踏的な旋律と絡んでいき、
タムタムの鈍い響きが聴こえてくるが、
この辺も録音の良さもあって、ヤルヴィ盤はいい。

第四楽章アンダンテ-アレグロ・モルトは、
低弦部による序奏で始まり、オーボエの悲しげな旋律が現れる。
この悲しげな旋律はフルートにも引き継がれたあと、
ファゴットが旋律を引き継ぎ、オーボエ、フルートへと移る。
木管楽器の中でその旋律が引き継がれていったあと、
クラリネットのおどけた音に続き、
元気のある明るい旋律が弦楽器により現れる。
木管楽器にも引き継がれながら、
行進曲風なリズムに乗って勢いをつけていく。
もう一つの旋律はロシア的な感じを持たせる旋律である。
そして第二楽章を思わせるような部分も現れたあと、
序奏の部分も現れ、再びファゴットが行進曲風のリズムの中、
明るい旋律を奏でて、クラリネットがそれを引き継いでいく。
それぞれの旋律が再現された後、金管楽器が加わり、
徐々に盛り上がりをみせ、ティンパニが響く中、力強く終わる。
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ドミトリ・ショスタコーヴィチの交響曲第1番ヘ短調作品10を聴く

2016-04-11 21:16:50 | ショスタコーヴィチの作品
今回取り上げるのはショスタコーヴィチが1924年から、
25年にかけて作曲した交響曲第1番ヘ短調作品10である。
聴いたCDはジークフリート・シュテッキヒトのピアノ、
ジョルジ・ガライのヴァイオリン、ヘルベルト・ケーゲル指揮、
ライプチヒ放送交響楽団の演奏による。
第一楽章アレグレット-アレグロ・ノン・トロッポは、
トランペットのファゴットの絡み合う部分から始まる。
ここで奏でられる旋律を繰り返しながら導入部を終えて、
クラリネットに始まる行進曲風の第一主題と、
フルートによって奏でられる舞曲風の第二主題が提示される。
そして、展開部に入り、ヴァイオリン・ソロが活躍する。
そして金管楽器と打楽器が加わり盛り上がりをみせていく。
再現部を経て、最後は導入部が現れて終わる。
第二楽章アレグロは、軽快で力強い旋律で始まる。
ピアノの音が効果的に使われていく。
トリオでは対照的なゆったりとした旋律が繰り返され、
徐々にテンポを上げながら冒頭の旋律が現れて終わる。
第三楽章レントは、オーボエの奏でる叙情的な旋律で始まる。
トランペットがそれに宿命的な何かを与えるような旋律を絡ませていく。
そのあとは盛り上がりと静かな部分を交互に繰り返して終わる。
第四楽章アレグロ・モルトは、激しく嘆くような音楽で始まり、
重々しい感じのあと、クラリネットやピアノが奏でる嵐のような第一主題と、
独奏ヴァイオリンによって奏でられる第二主題が現れ、
これらをもとに展開されたあと、今までの暗さを打ち消すかのような、
明るい感じになり、金管楽器と打楽器により軽快に旋律が奏でられ、
盛り上がりをみせたところで最後力強く終わる。
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