温泉クンの旅日記

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赤倉温泉 新潟・妙高

2014-06-08 | 温泉エッセイ
  <赤倉温泉で立寄り湯>

(惜しい。ほんのちょっと、早かったか・・・)



 目的地の糸魚川に向かうまで時間の余裕があったので、赤倉温泉に寄ることにした。一度入ったことのある、巨岩で囲まれた野趣満点の野天風呂「滝の湯」に入りたかったのだが、営業は四月中旬つまり一週間後からだったのだ。
 このまま戻るのも癪である。





 ならばと、坂道の途中にあった赤倉ホテルで立寄り湯をする。





 広い地下通路を抜けて階段を登ると、大浴場「有縁之湯」の金看板の前に出た。看板の下は妙高が描かれた大きな陶壁である。



 まずは内風呂からだ。掛け湯をたっぷりして、ゆっくり身を沈めていく。
 熱めの好みの湯加減である。やっぱり寄って良かったと思う。掛け流しの温泉で、湯が大量に落ちているあたりには湯の花が舞っていた。



 赤倉温泉の始まりだが、親鸞聖人が越後国府(現在の上越市)に流罪になり五智国分寺に封じられた時、妙高山<当時は須弥山(しゅみせん=仏教語で世界の中央に位置する霊山の意味=と云われた)>に登り、下山の途中、谷あいで野獣が湯浴みする姿を見つけ、霊泉を知りこれを里人に伝えたという。

「風の彩」と呼ばれる露天風呂。洒落た名前だと感心する。



 男の露天風呂なので囲いが雑で、なんとなく周囲から丸見えのような気がする。

 赤倉温泉の泉質は硫酸塩・炭酸水素塩泉である。外傷に効き目があり、かの上杉謙信も兵隊たちの治療に赤倉温泉を使ったという。漂白力もあり美肌を保つ美人の湯としても親しまれている。
 明治、大正期を通じて尾崎紅葉、岡倉天心、与謝野晶子ら多くの文人墨客も赤倉を訪れ、尾崎は自著の「煙霞療養」で赤倉を絶賛し、岡倉はこの地につくった別荘で永眠した。

「風雪の湯」と名付けられた狭い混浴露天風呂があった。





 注意書きにある「凍死にご注意下さい」には、けっこう笑えた。

 ところで、このホテルのロビーに、腰が抜けるほどでかい仏壇があって驚いた。
 親鸞聖人が国府から信州戸隠へ参詣の途中、袈裟を掛けたとされる松が妙高高原にあり、現在の松は三代目だそうだ。その初代の松をこの赤倉ホテルが頂戴して、親鸞聖人の木造を彫って安置しているそうだ。
 聞けばなるほどと安心したが、なんかどこかの宗教団体専用のヤバい宿かと思ってしまった。



 さて、そろそろ笹倉温泉に向かうとするか。


  →「燕温泉」の記事はこちら
  →「妙高山、雪景色」の記事はこちら
  →「笹倉温泉」の記事はこちら


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