温泉クンの旅日記

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続・平山温泉(1) 熊本・山鹿

2012-06-17 | 温泉エッセイ
  <続・平山温泉(1)>

 ひとり旅の一番いいところは、スケジュールを自由自在に調整できることである。

 熊本城で昼餉をとると、山鹿方面に一般道で向かった。
 九州最後、締めの温泉として平山温泉に日帰り入浴ではいるつもりである。できれば前回と違うところを試したい。
 そのあとは近くのインターから高速に乗り、佐賀を抜けて福岡県で一泊する予定である。福岡では、とくに目当てがないので温泉抜きでビジネスホテルに部屋をとって天神あたりで呑むつもりだ。できるだけ本州に近寄りたいので小倉までいければ最高だ。

 平山温泉をぐるりと廻って、比較的新しい施設をみつけて車をとめる。





 日帰り料金を払い、浴室へ向かった。



「ん!」
 そんなあ、嘘だろ・・・。大浴場の扉を開けるなり、鼻腔が微かな消毒臭を嗅ぎわけて思わず声が出てしまう。
 大浴場の浴槽にはいって、がっくりと肩を落としてしまう。



 それはないだろう・・・。このまま落胆を持ち帰るわけにはいかない。



 予定変更して平山温泉に泊まることにしよう。
 日帰り入浴で気に入って思わず泊まるパターンはあるが、気に入らなかったから泊まるというのは初めてである。



 着替えをすませ、この施設のパンフレットをもらうといったん車に戻り作戦を練ることにした。
 まずは手持ちの現金を確認しメモする。平山から横浜までの大体の距離からガソリン代をすこし大目に見積もる。あとは中国・近畿地方での一泊分のホテル代。食事代と予備費。
 携帯電話の電卓を使って引き算をする。これで、使える宿賃の上限金額が決まった。

 さて、宿泊の交渉だが平山温泉の宿賃はいったいに高め設定で、基本二人以上の宿泊である。
 パンフレットをみるとこの施設は宿泊もできて、しかも客室は掛け流しの温泉らしい。となれば縁あって日帰り入浴したわけだし、まずは直接交渉してみるとするか。ダメだったら、車に積んである温泉資料で平山温泉を調べて片っ端から電話交渉だ。

 フロントみたいなところに女将らしきひとがいた。
 ツイテいるぞ。女将とか大女将は絶大な権限がある。皆生温泉で大女将が学生の飛込み客に破格の宿泊料金で引き受けたのを実際にみたことがあるのだ。
 よし、交渉開始だ。

「・・・ここって、今日、宿泊する部屋はあいてますでしょうか」
 思わず気合いがはいった声が出てしまう。平日だし、ひと部屋くらいは絶対に空いているはずだ。
 詳しい交渉過程と宿泊料金は省略するがなんとか円満無事に交渉成立し、離れの部屋に案内される。



 箱根・伊豆値段を考えると、なんとも驚くほど安かった。




   ―続く―


   →「熊本城で、太平燕」の記事はこちら
   →「平山温泉」の記事はこちら
   →「冷酒でドカン」の記事はこちら

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