<読んだ本 2013年3月>
今年は桜が早かった。
三月末の今週にはもう散り始めていて、花吹雪のなかのお花見をしているようだ。
竹林を渡るさわやかな風も旅のシーズンの解禁を告げて、わたしのなかでも旅の虫がざわざわと騒ぎ始め、気忙しくなってきた今日この頃です。
本は買わず、すべて図書館で借りて読んでいるわけなのですが、二冊組などでは苦労する。
なるたけ予約者数を調べて予約のタイミングを調正するのですが、下巻がさきにきてしまったり、上巻を読んでから一カ月以上してからようやく下巻がきて思いだすのが大変だったりと。
たとえば先月今月と読んだ「コブラ」などは、実際のところ上巻を読み終わって、下巻がくるまでの間に7冊読んでいる。
2月に読んだ倉本聰の「獨白」からもう一箇所書いておきたい。
『女性ってものは俺にとって、常に不可解な生き物だったンだけど、次第に齢とって、付き合う
女の数も増えて―――変な意味じゃないよ。女性に関するデータベースが俺のファイルの中で
ふくらんでくると、まア、ある種の概念は出来てくるンだな。
一つ。女は大体多かれ少なかれ、内部に二面性を持っている。
一つ。女は男よりはるかに巧みに、嘘をつく能力に長けている(笑)。
一つ。女は男よりはるかに強い。殊に内部に強さを秘めており、その強さをかくして可愛く
ふるまうという先天的な才能がある(笑)。
一つ。女は持続力を有しており、男の瞬発力に比較してエネルギーとしてはとても男が
太刀打ちできない。』
なんとなく、「なるほど」うんうんと頷いているひとも多いのではないか。
さて、今月に読んだ本ですが、ぶ厚い一冊の文庫本に手こずってしまい3月は6冊、累計で21冊です。
1.◎コブラ (下) フレデリック・フォーサイス 角川書店
2.◎縮尻鏡三郎 (上) 佐藤雅義 文春文庫
3. ◎縮尻鏡三郎 (下) 佐藤雅義 文春文庫
4. ○アンパンの丸かじり 東海林さだお 朝日新聞出版
5. ◎星の衣 高橋治 講談社文庫
6. ○へこたれない人 物書同心居眠り紋蔵 佐藤雅義 講談社
洋画もそうだが、洋物の本はだいたい真ん中あたりを過ぎてから面白くなる。だから半分過ぎるまでは辛抱が必要だ。
フレデリック・フォーサイスは上巻でデティルや伏線をびっしり書き込み、下巻で面白さが炸裂するのである。この「コブラ」もまさにその通りであった。
米大統領の命を受けて、コブラと呼ばれるリーダーが周到な準備をしてコロンビアの巨大麻薬(コカイン)組織の壊滅を目論むというストーリーである。
「縮尻鏡三郎シリーズ」はけっこう何冊も読んでいるが、第一巻ともいえるこれは読んでいなかった。
勘定方のエリートコースを歩いていた主人公拝郷鏡三郎が仔細あってクビになり大番屋の元締になる、その仔細がよくわかった。女房になるおりんとのめぐり合いも、このころから始まっていたのだった。
まだシリーズを読んだことのないひとは、ぜひこの二冊からスタートしたほうがベストである。
「星の衣」は文庫本なのに七百ページを超す大作で、ふたつ持っている文庫本カバーが使用できないほどぶ厚く、とても読みごたえがあった。
荒筋は文庫本の裏の文章を拝借しておく。
『機(はた)に浮かぶ模様が、忘れがたい男の優しさを、忘れてしまいたい男の面影を、
織り出していく。沖縄の伝統織物に生涯をかける二人の女――汀子(ていこ)は亡き夫へ
捧げる[首里織]を、尚子(しょうこ)は新しい人生の証となる[八重山上布]を。生と愛の
情念を織り上げる女のひたむきさを描く感動の長編小説』
高橋治の文章は飽きさせずに読み進ませてくれる。ラストあたりでは、泣かせてくれるから電車のなかだと気恥ずかしくなるだろう。
海の美しい竹富島は夜空も美しく、背伸びして一杯に手を伸ばせば、どの星にも手が届いてそれを並べ替えられる。あるいは自分が掌に握った星を好きなところへはめ込むことが出来る・・・。
竹富島へ行ってみたくなってしまった。
→「読んだ本 2013年2月」の記事はこちら
今年は桜が早かった。
三月末の今週にはもう散り始めていて、花吹雪のなかのお花見をしているようだ。
竹林を渡るさわやかな風も旅のシーズンの解禁を告げて、わたしのなかでも旅の虫がざわざわと騒ぎ始め、気忙しくなってきた今日この頃です。
本は買わず、すべて図書館で借りて読んでいるわけなのですが、二冊組などでは苦労する。
なるたけ予約者数を調べて予約のタイミングを調正するのですが、下巻がさきにきてしまったり、上巻を読んでから一カ月以上してからようやく下巻がきて思いだすのが大変だったりと。
たとえば先月今月と読んだ「コブラ」などは、実際のところ上巻を読み終わって、下巻がくるまでの間に7冊読んでいる。
2月に読んだ倉本聰の「獨白」からもう一箇所書いておきたい。
『女性ってものは俺にとって、常に不可解な生き物だったンだけど、次第に齢とって、付き合う
女の数も増えて―――変な意味じゃないよ。女性に関するデータベースが俺のファイルの中で
ふくらんでくると、まア、ある種の概念は出来てくるンだな。
一つ。女は大体多かれ少なかれ、内部に二面性を持っている。
一つ。女は男よりはるかに巧みに、嘘をつく能力に長けている(笑)。
一つ。女は男よりはるかに強い。殊に内部に強さを秘めており、その強さをかくして可愛く
ふるまうという先天的な才能がある(笑)。
一つ。女は持続力を有しており、男の瞬発力に比較してエネルギーとしてはとても男が
太刀打ちできない。』
なんとなく、「なるほど」うんうんと頷いているひとも多いのではないか。
さて、今月に読んだ本ですが、ぶ厚い一冊の文庫本に手こずってしまい3月は6冊、累計で21冊です。
1.◎コブラ (下) フレデリック・フォーサイス 角川書店
2.◎縮尻鏡三郎 (上) 佐藤雅義 文春文庫
3. ◎縮尻鏡三郎 (下) 佐藤雅義 文春文庫
4. ○アンパンの丸かじり 東海林さだお 朝日新聞出版
5. ◎星の衣 高橋治 講談社文庫
6. ○へこたれない人 物書同心居眠り紋蔵 佐藤雅義 講談社
洋画もそうだが、洋物の本はだいたい真ん中あたりを過ぎてから面白くなる。だから半分過ぎるまでは辛抱が必要だ。
フレデリック・フォーサイスは上巻でデティルや伏線をびっしり書き込み、下巻で面白さが炸裂するのである。この「コブラ」もまさにその通りであった。
米大統領の命を受けて、コブラと呼ばれるリーダーが周到な準備をしてコロンビアの巨大麻薬(コカイン)組織の壊滅を目論むというストーリーである。
「縮尻鏡三郎シリーズ」はけっこう何冊も読んでいるが、第一巻ともいえるこれは読んでいなかった。
勘定方のエリートコースを歩いていた主人公拝郷鏡三郎が仔細あってクビになり大番屋の元締になる、その仔細がよくわかった。女房になるおりんとのめぐり合いも、このころから始まっていたのだった。
まだシリーズを読んだことのないひとは、ぜひこの二冊からスタートしたほうがベストである。
「星の衣」は文庫本なのに七百ページを超す大作で、ふたつ持っている文庫本カバーが使用できないほどぶ厚く、とても読みごたえがあった。
荒筋は文庫本の裏の文章を拝借しておく。
『機(はた)に浮かぶ模様が、忘れがたい男の優しさを、忘れてしまいたい男の面影を、
織り出していく。沖縄の伝統織物に生涯をかける二人の女――汀子(ていこ)は亡き夫へ
捧げる[首里織]を、尚子(しょうこ)は新しい人生の証となる[八重山上布]を。生と愛の
情念を織り上げる女のひたむきさを描く感動の長編小説』
高橋治の文章は飽きさせずに読み進ませてくれる。ラストあたりでは、泣かせてくれるから電車のなかだと気恥ずかしくなるだろう。
海の美しい竹富島は夜空も美しく、背伸びして一杯に手を伸ばせば、どの星にも手が届いてそれを並べ替えられる。あるいは自分が掌に握った星を好きなところへはめ込むことが出来る・・・。
竹富島へ行ってみたくなってしまった。
→「読んだ本 2013年2月」の記事はこちら
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