<『♪渡良瀬橋』の聖地巡礼(1)>
森高千里の曲であるという「渡良瀬橋」を初めて聴いたのは、ずいぶん昔の、たしか送別会だったか、歓送迎会だったと思う。
一次会の出席者の殆どが二次会のカラオケにも出席して、誰もが退職者に敬意を表して進んで唄ってくれて、幹事のわたしを喜ばせた。
渡良瀬橋で見る夕日を
あなたはとても好きだったわ
きれいなとこで育ったね
ここに住みたいと言った
電車にゆられこの街まで
あなたは会いに来てくれたわ
私は今もあの頃を
忘れられず生きてます
ふだん控えめな同僚女性が選んで唄ったその曲だが、唄い方がうまかったせいか、わたしの脳裡に歌詞が鮮やかに情景を紡ぎだし、「渡良瀬橋」と「八雲神社」の固有名詞とともに心にくっきり残ったのである。
「えっ、ここが、あの『渡良瀬橋』で唄われた『八雲神社』なの?」
あまりにも侘びしすぎるんじゃない・・・。
鄙び過ぎで、狭すぎるし、横隣だってすぐに町工場だし。
数十年後の今日、ようやく「渡良瀬橋」の聖地巡礼を実行することにした。(能天気な「温泉巡り」と「酒場巡り」を封印し、神社仏閣ネタがやたら多い今しかチャンスがないからね)
上野東京ラインで「小山駅」まで行き、小山駅で両毛線に乗換え「足利駅」へ。ざっと3時間の行程だ。足利に来るのは「足利學校」以来かもしれない。
足利駅の、「渡良瀬橋」などまったく知らなそうな世代の若い駅員に<八雲神社>の場所を訊くと、タブレットで検索してくれ、「歩くとけっこう遠いみたいですよ」と言いながら大体の方角を教えてくれた。
歩くのは得意だ。タクシーは贅沢だし、ローカルバスは本数が少ない。
寒風のなか、県道をかなり歩いても通行人に出逢わない。しかたなく自分のスマホのナビを起動して、ここに辿りついたのだった。
所要時間は・・・とみると、50分かかっている。
やっぱり、ここじゃないよなあ。絶対に!
冷たい北風が身にしみるので、近くにあった大型店舗である「ファッションセンターしまむら」のなかで暖をとりながら調べることにした。
グーグルで検索してみると、なんと「八雲神社」は足利市には五社もあって、どうやら「総社 八雲神社」というのが目的地の正解らしい。
「総社 八雲神社」でナビ検索してみると、現在地まで来た道のりを、半分くらいのところまで県道67号線を戻るようだ。くそッ。
さっきの八雲神社は分社のようだ。まったく、ややこしい。
(旅に失敗はつきもの。ここは気楽に、<方違え>したんだと思うとしよう・・・)
陰陽道に基づいた風習に「方違え(かたたがえ)」がある。向かう方位が悪ければ良い方向に一旦進み、そこから目的地が良い方位になるように迂回するわけだ。
なんだ! 来る時に見た<足利公園>の表示のところで、曲がればよかったのか。
「オォー、あったぞ! これが歌詞にあった『八雲神社』だ、ここ、ここ!」
まぁ、「総社 八雲神社」じゃ長くて歌詞にならんもんね。
― 続く ―
→「足利學校(1)」の記事はこちら
→「足利學校(2)」の記事はこちら
→「足利學校(3)」の記事はこちら
森高千里の曲であるという「渡良瀬橋」を初めて聴いたのは、ずいぶん昔の、たしか送別会だったか、歓送迎会だったと思う。
一次会の出席者の殆どが二次会のカラオケにも出席して、誰もが退職者に敬意を表して進んで唄ってくれて、幹事のわたしを喜ばせた。
渡良瀬橋で見る夕日を
あなたはとても好きだったわ
きれいなとこで育ったね
ここに住みたいと言った
電車にゆられこの街まで
あなたは会いに来てくれたわ
私は今もあの頃を
忘れられず生きてます
ふだん控えめな同僚女性が選んで唄ったその曲だが、唄い方がうまかったせいか、わたしの脳裡に歌詞が鮮やかに情景を紡ぎだし、「渡良瀬橋」と「八雲神社」の固有名詞とともに心にくっきり残ったのである。
「えっ、ここが、あの『渡良瀬橋』で唄われた『八雲神社』なの?」
あまりにも侘びしすぎるんじゃない・・・。
鄙び過ぎで、狭すぎるし、横隣だってすぐに町工場だし。
数十年後の今日、ようやく「渡良瀬橋」の聖地巡礼を実行することにした。(能天気な「温泉巡り」と「酒場巡り」を封印し、神社仏閣ネタがやたら多い今しかチャンスがないからね)
上野東京ラインで「小山駅」まで行き、小山駅で両毛線に乗換え「足利駅」へ。ざっと3時間の行程だ。足利に来るのは「足利學校」以来かもしれない。
足利駅の、「渡良瀬橋」などまったく知らなそうな世代の若い駅員に<八雲神社>の場所を訊くと、タブレットで検索してくれ、「歩くとけっこう遠いみたいですよ」と言いながら大体の方角を教えてくれた。
歩くのは得意だ。タクシーは贅沢だし、ローカルバスは本数が少ない。
寒風のなか、県道をかなり歩いても通行人に出逢わない。しかたなく自分のスマホのナビを起動して、ここに辿りついたのだった。
所要時間は・・・とみると、50分かかっている。
やっぱり、ここじゃないよなあ。絶対に!
冷たい北風が身にしみるので、近くにあった大型店舗である「ファッションセンターしまむら」のなかで暖をとりながら調べることにした。
グーグルで検索してみると、なんと「八雲神社」は足利市には五社もあって、どうやら「総社 八雲神社」というのが目的地の正解らしい。
「総社 八雲神社」でナビ検索してみると、現在地まで来た道のりを、半分くらいのところまで県道67号線を戻るようだ。くそッ。
さっきの八雲神社は分社のようだ。まったく、ややこしい。
(旅に失敗はつきもの。ここは気楽に、<方違え>したんだと思うとしよう・・・)
陰陽道に基づいた風習に「方違え(かたたがえ)」がある。向かう方位が悪ければ良い方向に一旦進み、そこから目的地が良い方位になるように迂回するわけだ。
なんだ! 来る時に見た<足利公園>の表示のところで、曲がればよかったのか。
「オォー、あったぞ! これが歌詞にあった『八雲神社』だ、ここ、ここ!」
まぁ、「総社 八雲神社」じゃ長くて歌詞にならんもんね。
― 続く ―
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→「足利學校(2)」の記事はこちら
→「足利學校(3)」の記事はこちら
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