温泉クンの旅日記

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あらきの蕎麦 山形・村山

2007-10-14 | 食べある記
  <あらき>

 山形市内から新庄に向かう国道を村山あたりで左折して最上川を渡り、右手に
碁点温泉をみて左折する。五分ほど走ると道の左側に「あらき」の看板を出した
古民家が現れる。



 あらきは、村山の蕎麦街道でも人気があり混む店である。わたしは幸いにして
経験がないが、整理券をもらい2時間以上待ちなどの日もざらにあるという。
 この日もちょうど昼時なので駐車は無理だろうなと半ばあきらめていたのだが、
対向車が駐車場にはいるまえに曲がったら、一台分のスペースが幸運にもあいて
いたのだった。



 暖簾をくぐると囲炉裏が切ってあり、その裏手が厨房である。



 囲炉裏の右手の広間の座敷に、六人がけぐらいの使い込まれた木製の座卓が
ふたつ、その向こうに八人がけぐらいがふたつ、奥に四人がけぐらいがひとつ。
何人がけぐらいと書いたのは、両脇にも座布団を引けそれぞれが二人分づつふえる
からだ。



 この蕎麦屋では空いている席に相席が常識だから、手前の空いている座布団に
腰を下ろす。外とのしきりがすべて簾なので、風がはいってきて気持ちがいい。
 やがて、お茶と香の物が運ばれてきて注文を聞いてくれる。
 山形だけではなく新潟や会津など地方では、おいしい香の物を出してくれるとこ
ろが多い。地元の野菜を使った香の物とお茶でけっこう時間が潰せる。こういう
ところは東京でもマネをしてほしいものだ。

「いらっしゃいませ」
「薄毛利をひとつ」
「ニシンとか焼き茄子とか付けますか」
「いえ、薄毛利だけでいいです」
 よっぽど自信がなければサイドメニューなど追加注文しないほうがいい。昔毛利
(大盛り)も町内一の大食いでなければやめておいたほうがいい。うすもり、と
いっても東京の蕎麦の優に三人前以上はあるのだ。

 山形の蕎麦はとにかく運ばれてきた板の上にぱらぱらと散らばっていて、底の板
もまるまるみえるほど一見少なめである。ところが一本一本が見た目も太いが、
食べてみると中味がぎっしりと詰まった蕎麦である。



 東京の蕎麦みたいに粋に啜りこもうと思ってもなかなかうまくいかない。適量を
もぐもぐ食べるほうが賢明だろう。けっして不味いわけではない。自分の一番好き
な信州とか東京とかの十割蕎麦を思い浮かべ、それを三本から五本ぐらい拠りあわ
せたような蕎麦である。だから実は旨いのだ。が、初めてだと食べきるのはかなり
骨である。

 散らばった蕎麦をいったん端に寄せてから、適量箸でとり、つゆにどっぷりつけ
てもぐもぐ食べる。わたしの最近の山形蕎麦の食べ方である。東京流の蕎麦の食べ
方は、通用しないのでとりあえず忘れたほうがよろしい。

 山形蕎麦をあまりしらなかったので、かなり恥ずかしい思いをしたことがある。
 ひとなみに昼は量を食べるほうなのだが、天童で水車がある蕎麦屋で大盛りを
頼んで半分ほど残してしまったのだ。蕎麦好きとかいいながら、大盛り頼んで半分
残しては話にならない。

 このことがあってから、どの土地にいっても大盛りを頼むことはなくなった。
いくつになっても学習するのである。
 あらきの山形蕎麦・・・試してみてほしい。食べれば、山形蕎麦は絶対に「こう
いう蕎麦も『あり』」なのだ。


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1 コメント

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Unknown (にゃぁ)
2008-01-19 14:49:09
 まず、お客に出す「体裁」が必要ですにゃぁ。
それも、お店の大切な「芸」のひとつかもしれませんにゃぁ。
 なんだか、「はげ頭のバーコード」みたいなこのおそば。あたしゃ、食べたくないにゃぁ!
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