<永平寺初参詣(3)>
大庫院(だいくいん)には、食事を司る台所や賓客の接待の間などがある。
開祖である道元は「食」を重要な修行ととらえ、食事を作ること、食べることを真剣に行うことが仏道を求める心であり、料理には「三徳六味(さんとくろくみ)」の心が欠かせないとした。
三徳とは「軽軟(きょうなん=あっさりと柔らかいこと)」、「浄潔(じょうけつ=きれいで清潔)」、「如法作(にょほうさ=法にかなった調理がされていること)」。つまり、三徳とは心を込めて調理することである。
そして六味とは、「苦(く)・酸(さん)・甘(かん)・辛(しん)・鹹(かん=塩辛い)」の基本の五味に、一番重要な、素材そのものの持ち味を生かす味つけである「淡(たん)」を加えて六味となる。現代の食卓から消えようとしている「淡」だが、淡い味が無くなることは、人間の感情にも、人との関係の結び方にも、大きな影響を与えるという。
道元はこの六つの味をうまく調和させようと心を尽くすことが精進料理の心だと説いた。
食を任されているのは「典座(てんぞ)」という役職の僧で、食事作りは典座を中心に修行僧が心をこめてつくる。
食事をすることも修行である。命ある食材で作られる大切な食事に感謝を込めた決められた作法で食べる。
山門の両側に仏教の守護神である四天王が安置されている。
東側に、東方の守護神「持国天(じこくてん=右)」と北方の「多聞天(たもんてん=左)」。
西側に、西方の守護神「廣目天(こうもくてん=右)」と南方の「増長天(ぞうちょうてん=左)」
鐘楼堂で鐘を突き始めて、静寂をざっくり割るように荘厳な鐘の音が全山に響いた。
見ていると、一回突くごとに細かく決められた一連の作法があるらしく、「間」ができる。
永平寺の一日は振鈴(しんれい)で始まる。担当の修行僧は広い寺の中を鈴を振りながら駆けめぐり、寝ている修行僧を起こすのだ。
また、行事の節目ごとに梵鐘や鉄の板(雲板)などの鳴りものを鳴らし、その時を全山に知らせる。
参詣がすむと、通用門を出てすぐの、蛙の像がある小池のところに灰皿が設置されていたのでひと休みする。
突きあたりのなだらかな階段がある風景がとてもいい雰囲気をだしている。
頭を巡らすと、木々の向こうに、写経を納める報恩塔が見えた。
永平寺の参詣、短時間であったがたしかに心が洗われた。
→「永平寺初参詣(1)」の記事はこちら
→「永平寺初参詣(2)」の記事はこちら
大庫院(だいくいん)には、食事を司る台所や賓客の接待の間などがある。
開祖である道元は「食」を重要な修行ととらえ、食事を作ること、食べることを真剣に行うことが仏道を求める心であり、料理には「三徳六味(さんとくろくみ)」の心が欠かせないとした。
三徳とは「軽軟(きょうなん=あっさりと柔らかいこと)」、「浄潔(じょうけつ=きれいで清潔)」、「如法作(にょほうさ=法にかなった調理がされていること)」。つまり、三徳とは心を込めて調理することである。
そして六味とは、「苦(く)・酸(さん)・甘(かん)・辛(しん)・鹹(かん=塩辛い)」の基本の五味に、一番重要な、素材そのものの持ち味を生かす味つけである「淡(たん)」を加えて六味となる。現代の食卓から消えようとしている「淡」だが、淡い味が無くなることは、人間の感情にも、人との関係の結び方にも、大きな影響を与えるという。
道元はこの六つの味をうまく調和させようと心を尽くすことが精進料理の心だと説いた。
食を任されているのは「典座(てんぞ)」という役職の僧で、食事作りは典座を中心に修行僧が心をこめてつくる。
食事をすることも修行である。命ある食材で作られる大切な食事に感謝を込めた決められた作法で食べる。
山門の両側に仏教の守護神である四天王が安置されている。
東側に、東方の守護神「持国天(じこくてん=右)」と北方の「多聞天(たもんてん=左)」。
西側に、西方の守護神「廣目天(こうもくてん=右)」と南方の「増長天(ぞうちょうてん=左)」
鐘楼堂で鐘を突き始めて、静寂をざっくり割るように荘厳な鐘の音が全山に響いた。
見ていると、一回突くごとに細かく決められた一連の作法があるらしく、「間」ができる。
永平寺の一日は振鈴(しんれい)で始まる。担当の修行僧は広い寺の中を鈴を振りながら駆けめぐり、寝ている修行僧を起こすのだ。
また、行事の節目ごとに梵鐘や鉄の板(雲板)などの鳴りものを鳴らし、その時を全山に知らせる。
参詣がすむと、通用門を出てすぐの、蛙の像がある小池のところに灰皿が設置されていたのでひと休みする。
突きあたりのなだらかな階段がある風景がとてもいい雰囲気をだしている。
頭を巡らすと、木々の向こうに、写経を納める報恩塔が見えた。
永平寺の参詣、短時間であったがたしかに心が洗われた。
→「永平寺初参詣(1)」の記事はこちら
→「永平寺初参詣(2)」の記事はこちら
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