温泉クンの旅日記

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宮城、松島温泉(3)

2022-08-28 | 温泉エッセイ
  <宮城、松島温泉(3)>

 温泉宿とか飲食店で、何度か「クソッ、騙された!」という経験がわたしにはある。
 口コミの情報といってもネットに溢れるのは玉石混淆で、フェイクなやつもかなりあると覚悟しておかねばならない。
「傍聞き(かたえぎき)」といって、ひとの傍らにいて聞くともなしに聞いてしまった、そんな会話からの情報は真実味と信頼度が高い。

 五時前に起きると、寝乱れた浴衣を手早く整え、大浴場に向かう。

 

 正面が女湯なので躊躇するが、男湯は直前を左折である。
(ふーん、新参者の、ここの温泉を「太古天泉」とは、凄い命名をしたものだ・・・)

 

 さすがに早いので先客は誰もいなかった。しっかり掛け湯をしてから内湯で身体を温めると、昨日入れなかった露天風呂をじっくり楽しむことにした。
 露天は中くらいの上段と大きい下段のふたつあり、上の湯から攻める。「開放感のある露天風呂では、夜空に浮かぶ月、松島湾から昇る朝日をお楽しみいただけます」ということだが、壮観な景色は今朝は特にない。

 

 たしか初めて“大江戸温泉物語”に興味を持ったのは、伊豆の伊東温泉の酒場だった。
「そんなに良かったのかい? その“オオエド温泉”てえのは?」
 猫なら、可動自在の耳でロックオン! 温泉というキーワードが飛び込んできて、勝手に耳がでかくなってしまう。わたしのカウンター席の右側、空席ひとつ挟んで座る二人組の男性客からだった。
「食事が、だけどね」
「でもたしか、あそこって食事はバイキングじゃなかったっけ? なら別のチェーン系のホテルのほうが安いのでは」
 伊豆半島では先行する、カラオケチェーン「歌ヒロ(歌広場)」を経営するホテルチェーンが「365日同一料金」の安値で展開していた。あそこの飲み放題バイキングは、既にわたしも経験済みだ。
「そうだ。でもな、料理のクオリティというかレベルがぜんぜん違うんだよ」
「へぇー、 そうなんだ。ちょっと覚えておくよ」
 オレも覚えておこう、そう思ったのだった。たしかひと昔前くらいのことである。

 

 朝風呂から部屋に戻ると、着替えと荷物の整理をして、冷たいお茶で一服して朝食時間を待つことにした。松島駅発8時半ごろの電車に乗る予定なのである。
 ホテル壮観のバイキングだが、

『プリンスホテルの予約の取れない伝説のレストラン『ハプナ』で年間1001万人の集客を達成し続け、料理の腕を振るっていた元調理部長がバイキングをプロデュースしている』

 とのことで、納得。
 メチャクチャにセレクトした昨日の夕食が、完食近く食べきったあのレベルならば、朝食も期待できそうだ。

 

 

 朝食会場がガラガラに空いているのは、チェックアウトが11時のためだろう。きっと客は早起きしすぎた腹ペコ客と、わたしみたいな早出発の客ぐらいだ。

 

 ライブクッキングのコーナーも空いていたので、パンに決めたのに、ついついおにぎりを二個つくってもらってしまった。

 

 チェックアウトが遅いので、送迎バスの第1便は9時を過ぎる。
 しかたがない。8時前にホテルを後に、松島駅に向かって歩き出す。

 

 

“傍聞き”で知った大江戸温泉のバイキング、確かによかった。
 あのライブクッキングコーナー、混んでいた昨夜は、きっと牡蠣とか牛タンなんかもあったのだろうな・・・残念なり。


   →「宮城、松島温泉(1)」の記事はこちら
   →「宮城、松島温泉(2)」の記事はこちら


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