温泉クンの旅日記

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読んだ本 2022年7月と8月

2022-09-04 | 雑読録
  <読んだ本 2022年7月と8月>

 戸塚駅で久しぶりに購入したシウマイ弁当。

 

 最近の駅弁価格だが、1,000円以上のものが圧倒的に多い(ように感じる)。
 価格が高い一因は常温保存が基本で消費期限も短いので、冷蔵保存のコンビニ弁当の廃棄率「5%以下」に比べ、倍くらいの10%がざらとなっており、その廃棄コストも上乗せされているからだ。
 現在のシウマイ弁当の価格は860円と、相変わらず頑張って1,000円以内をキープしている優等生だ。なにしろ一日に2万4000個以上を売り上げる、日本一有名な駅弁なのである。

 

  『崎陽軒は8月9日、「シウマイ弁当」の鮪の漬け焼を鮭の塩焼きに変更すると発表した。
   鮭の塩焼きに変更するのは、8月17~23日の期間限定。』
 
 期間限定初日の今日、突如購入することを決めたのはこのニュースを知ったからである。昭和29年(1954年)の発売開始、当初の焼き魚は「ぶりの照り焼き」だったが、昭和38年(1963年)に「鮪の漬け焼」に変更された。具の魚を変更するのは、それ以来59年ぶりだという。これは、シウマイ弁当ファンの浜ッ子としては、どよめかざるを得ないビッグニュースだった。
 弁当の掛け紙の、本でいう帯にあたる部分にも「焼き魚を変更する」旨の案内が書かれていた。

 

  『変更の理由について崎陽軒は、「新型コロナウイルス感染拡大による世界的なサプライチェーンの混乱
   などの影響を受け、原材料である鮪の必要数量を確保することが難しくなったため」と説明。
   同月24日からは通常通り鮪の漬け焼に戻せるよう、原材料の安定確保に向け努力を続けるとしている。』

 変更前の弁当。

 

 変更後の弁当。

 

 

 さて、シウマイ弁当の食べかただが、わたしはまず、弁当のご飯(これが制御不能、憎たらしいほどにウマイのだ!)を、おかずの半分ぐらいで平らげる。それから残ったおかずを肴にゆっくりと呑み始める。電車でもどこでも、こんな感じ。
 よく正統派の酒飲みだと、白飯が最後に残ってしまって困るなどというが、邪道のわたしは先に食べきってしまうのでまったく心配無用だ。

 

 よく、アンズを食べるタイミングがわからないというが、わたしは真っ先に食べる。そして最後は梅干。そう決めている。
 なんていったらいいのだろう。大好きな歌のサビの部分のメロディーの、音符の一音が、半音だけ狂ったような気分。
 期限日には、レアもの人気で売り切れ続出で大変だったらしい。期間限定(8月25日からは元に戻る予定)でよかった、とつくづく思う。

 さて、7月と8月に読んだ本ですが、またしても2カ月で7冊、年間累計では26冊になります。

 1. ○秋暮の五人  くらまし屋稼業4   今村翔吾     角川春樹事務所
 2. ○冬晴れの花嫁 くらまし屋稼業5   今村翔吾     角川春樹事務所
 3. ○花唄の頃へ  くらまし屋稼業6   今村翔吾     角川春樹事務所
 4. ◎花の降る午後 上         宮本輝   講談社文庫
 5.○花の降る午後 下         宮本輝   講談社文庫
 6.○警告 上             マイクル・コナリー 講談社文庫
 7.◎警告 下             マイクル・コナリー 講談社文庫

「警告」の上巻には参った。地獄の責め苦みたいに、まるで面白くない。
 思わずリンカーン・シリーズ以外は面白くないジェフリー・ディーバーかと思ってしまったほどだ。でも、下巻に入ると俄然面白くなった。

  『「そうだ、乾杯を忘れてた」わたしは言った。
   わたしは新しいグラスを掲げ持った。
  「一発の銃弾説に?」わたしは訊いた。
   ひょっとして、言いすぎたかもしれないが、レイチェルはためらわなかった。彼女は自分のグラスを
  掲げ、うなずいた。その説は、レイチェルが何年もまえにわたしに話してくれたものだった。
  ――だれにでも銃弾のように心臓を貫いてくれるだれかがこの世にいる、と彼女は信じていた。
  だれもがその人物と会える幸運に恵まれているわけではなく、もし出会ったとしてもだれもがその人物に
  しがみつけるわけではないが』

              警告 上巻より

 銃弾のように心臓を貫いてくれるだれか・・・か。なかなかに、深い。

 典子は夫の早すぎる死後、神戸・北野町にあるフランス料理店「アヴィニョン」を守ってきた。加賀はその店の腕のいいシェフである。

 

 宮本輝「花の降る午後」は、ハッピーエンドで安心して読めた。

  『(略) 加賀は、初めてアヴィニョンを訪れた客を、調理場から出て、大きな木製のついたて越しに
  一瞥する。その客の顔、身につけているもの、あるいは漂わせているもの・・・・・・。加賀は決して
  自分の料理哲学を客に押しつけたりはしなかったが、一枚の皿を選ぶとき、その客から感じた何物かを
  考慮に入れている。料理であるかぎり、(うまい)だけでは充分ではない。(楽しい)という点も要素であり、
  (贅沢感)も、逆に(素朴感)も、それぞれの料理によって必要である。客によっても、求めているものは
  多種多様なのだ。その客は何を(うまい)と考え、何を(楽しい)と感じるのか。加賀は自分の哲学の
  範囲で許容出来る遊びを、客によって使い分けるのである。』


 加賀みたいなシェフのいるフレンチレストランの「常連」になってみたいものだが、とても無理だろうな。
 わたしは、いいとこ居酒屋止まりだな、きっと。


    →「読んだ本 2022年5月と6月」の記事はこちら


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