温泉クンの旅日記

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十津川へ ①

2006-05-24 | 旅行記
 <十津川へ ①>

 ブルルル、ブルルル・・・枕元においた携帯のアラームの振動音で目を覚まし
た。
 敬老の日の朝の五時である。いかん、まだ眠い。携帯のスイッチを切ると、また
まぶたが落ちてきた。二日酔いがたっぷり残る頭のどこかから「おい! 今日から
旅行だぞオ」と声がかかり、「よーし!」と気合をいれて洗面所に向かう。旅と
なればいつもスパッと起きられるのに珍しい。度をこして呑んだということか。

 五時四十分、ナビをとりあえず鳥羽にセットして戸塚を出発した。
 鳥羽まで約五百キロちょっとは、京都までと大体同じ距離だ。ということは、
大体七時間ぐらいである。問題は、名古屋圏を抜けるのにどのくらいかかるかと
いうことだ。

 横浜バイパスを使い、横浜インターから東名高速に乗った。
 三連休最後の日の今日は、思ったとおり道路はすいていた。びっしり空を覆った
曇り空である。西のほうの天気は調べていない。

 厚木のインターを過ぎたころから雨になった。
 足柄サービスエリアに寄り、体調がまだ悪く食欲がないのでポンデケージョを
とりあえず五個ほど購入した。時間がよかったのか、焼き立てのアツアツだった。
ここのはなかなかうまいのである。ピンポン玉ぐらいの大きさなので運転しながら
気楽に食べられる。大好物の上海餅は、時間が早すぎてまだ販売していない。

 九時、浜名湖サービスエリアで休憩する。まだ食欲がもどらなかったが、おにぎ
りを一個買って無料のお茶で無理矢理食べた。幸い天候のほうも回復してきた。
 岡崎インターで渋滞に二十分ほど巻き込まれたが、すんなり東名阪自動車道に
抜けることができた。名古屋あたりで相当時間をとられると覚悟していたが、嬉し
い誤算で、こういうのはありがたい。

 十二時、伊勢自動車道の安濃サービスエリアで、心細くなったガソリンを補給し
た。ようやく食欲がすこし戻ってきたので、伊勢うどんとピリ辛おにぎりを自分に
も補給した。

 今夜の宿をそろそろ予約しなければいけない。
 ・・・ここで十二時ということは、鳥羽には二時前に着く。鳥羽、伊勢、十津
川、吉野の順で回ろうとだいたい決めていたが、初日の今日、一気に十津川温泉
まで行けるかもしれない。夕暮れまでにはまだ五時間もある。
 よし、先に十津川のホテルに電話して、今日の予約がとれればまっすぐ十津川
に、今日いっぱいで明日の予約なら予定通り鳥羽に泊まるとしよう。電話をしたら
十津川の今日の予約がとれたので、現在地をいって所要時間を聞いたところやはり
五時間ぐらいだという。



 話はきまった。
 あとは、日暮れまでに山の中のホテルに到着することだけ考えればいい。すぐの
出発だ。山の中の細い道で、夜間の走行はあまりしたくない。
 勢和多氣インターで降り、国道を南下する。なにしろ、ここから一般道を約二百
三十キロ走らねばならないのだ。途中にあった道の駅にも寄らず、ひたすら運転に
専念する。

 三時過ぎ新宮の街にはいった。
 ここから、熊野川に沿って五十三キロさかのぼる。四国の四万十川を遡ったとき
に比べれば、思ったより道路は立派で、ハラハラするようなこともなかった。中央
線がない区間でも、普通車なら二台充分すれ違える幅があった。

 四時三十五分、到着。まだ明るい。
「ほんとうにどうもどうも、お疲れ様でした」、「いーえ、なんのこれしき、どう
ということもありませんですよ」とエンジンを切りながらひとり言をいう。最近の
くせだ。

 トリップメーターをみると、本日の走行距離は、六百四十二キロであった。所要
時間は・・・十一時間か、腕時計みながら呟く。まあ、好きな運転だからできる
が、労働時間と考えるとぞっとする。


      <②へ続く

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