温泉クンの旅日記

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たまの熱海で旅気分(3)

2016-03-06 | 温泉エッセイ
  <たまの熱海で旅気分(3)>

 夕暮れになり、そろそろ湯の街に繰りだすことにした。
 坂を下りて市役所近くの糸川沿いを歩く。



「夜目遠目笠の内」というが、桜にもあてはまるようだ。夕暮れのかすかな闇を薄衣のようにまとってそれなりに美しい。昼間見たときには、萎れて色落ちした早咲きの桜が未練がましくあちこちの枝にへばりついていかにも寂しげだったのだ。
 チェックイン前に歩き廻って決めていた店は「魚庵(ととあん)」である。





 入ると、カウンターにいた客が立ちあがって厨房に入った。どうやらここの店主のようだ。
 芋焼酎の水割りを頼むと、眼にもとまらぬ早業で天ぷらを揚げる。それが、付き出しの三種の天ぷらだった。



 三種とも絶妙なからりとした揚げ具合で旨い。天ぷらは間違いなくその職人の「技」が出てしまう料理である。メニューの値段も良心的で、これなら安心して注文できそうだ。
 鰻の肝焼き、イカトンビ、初めての店では絶対に頼まない焼き鳥を頼む。





 どれも満足できる味である。ふむ。いい店を選んだ。妥協せずに歩きまわったあげく見つけた店は、だいたいいい店の確率が高い。
 地元客が多いのもとても好ましい。幼児を連れた家族連れが入ってきて、やはり家族連れがいる奥の座敷に向かっていく。
 鱵(さより)の刺身を注文したら、間違えて天ぷらになってしまったが旨かったのでここは寛大に許してしまおう。


 
 これ以上食べるとラーメンが食べられなくなる。刺身は次回の楽しみにしようと、断腸の思いで切り上げて二軒目の「石川屋」に向かう。あの高倉健の贔屓の繁盛店で、かなり儲かっているはずで頼むからトイレくらい綺麗に改装してほしい。
 今宵の宴の締めはウーロンハイと、いつもの極上のラーメン。大満足である。



 朝食のメニューは初めての宿泊なら満足できる品揃えだが、いつも同じである。それとご飯がいまいちだ。



 温泉が気にいって一度連泊してしまったときには、朝食の焼き魚の鯵が魳(カマス)に変わっていたが、やっぱり二泊目にはトーストが食べたかったな。

 帰りの電車の待ち時間があるので駅前の第一ビルに寄る。一階の商店街、駅側の中ほどにある土産物売り場で気になっていた「ネコの舌」の小袋を買い求めた。



 電車のなかで食べたら素朴だがとても上品な味わいで美味しかった。保存料とかややこしいものは一切使っていない熱海で土産など買ったことはずっと昔に「七尾たくわん」を買ったくらいでとんとなかったが、これからはこいつを買って帰ろうと頭のなかに書き留めた。


  →「たまの熱海で旅気分(1)」の記事はこちら
  →「たまの熱海で旅気分(2)」の記事はこちら

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