<八戸、漁港ストア>
眼の前には八戸漁港・・・。
「漁港ストア」は、その名の通り、眼の前に海を臨む店である。
客は漁業関係者、釣り人など地元客が多く、観光客はまず来ない。
もっとも、わたしのような例外もいる。この店はドラマ「青い鳥」のロケ地として使われたのだ。
長野県から北へ逃避行を続ける理森(よしもり)、かほり、詩織の三人は、流れついた八戸の街が気にいり、職を探し、アパートを借りてしばらく幸せな日々を送る・・・。
このストアだが、港近くの定食を出す食堂という設定で三人が食事をしたり、かほりが働いたりしたのである。
ストアの右手のほうには日曜雑貨が並べられている。
氷をふんだんに使ってよく冷えたラムネ、コーラなどの瓶の飲料がいかにも旨そうだ。
しかし、ここに来るほとんどの客の目当ては、買い物というより食事である。昼時をだいぶ過ぎた時間なので客は少ないが、食事時にはきっと混むのだろう。
蕎麦、うどん、ラーメン、おでん、おにぎりなどのメニューが並ぶ。焼鳥や氷などもある。立ち食い蕎麦と同じように客は券売機で券を買ってカウンターに行くシステムだ。
わたしは天麩羅蕎麦の券を購入して、出来あがった丼を受取り、外に並ぶテーブルに移動した。
(あれっ、いまセキレイが・・・)
眼の前のテーブルの間を、セキレイが尾をちょんちょんと床を叩くようにしながら走り抜けた。気のせい、ではない。
見廻すと、なんと雀も一羽、テーブルの下の空間を飛び歩いていた。
空いているテーブルに腰を降ろして蕎麦を食べ始めると、気配があり、見廻すと右足の後ろのほうに雀がやってきていた。
「おい、すずめちゃん。おそば食べたいのかい?」
すぐ後ろの床にいる雀が可愛くてたまらず、蕎麦を箸でみせびらかしながら話しかけると、周りのテーブルがシーンと静まりかえった。
あ、まずい。
ちらりと見ると、蕎麦を啜りこむ途中で固まってしまったひともいる。しかし、いまさらである。ここでやめればただのヘンなおっさんで終わってしまう。
「ほーら、あげるからね、テーブルの上にきなさい」
ここ、ここだからねと蕎麦を一本だけ、テーブルの上に落とすと、雀は意を決したように床からテーブルの上に飛んできた。
えっ、まさか。
すぐ言うとおりにするとは思わなかったので慌ててカメラを取り出している隙に、蕎麦を一本咥えて飛んでいってしまった。
→「青い鳥の驛」の記事はこちら
眼の前には八戸漁港・・・。
「漁港ストア」は、その名の通り、眼の前に海を臨む店である。
客は漁業関係者、釣り人など地元客が多く、観光客はまず来ない。
もっとも、わたしのような例外もいる。この店はドラマ「青い鳥」のロケ地として使われたのだ。
長野県から北へ逃避行を続ける理森(よしもり)、かほり、詩織の三人は、流れついた八戸の街が気にいり、職を探し、アパートを借りてしばらく幸せな日々を送る・・・。
このストアだが、港近くの定食を出す食堂という設定で三人が食事をしたり、かほりが働いたりしたのである。
ストアの右手のほうには日曜雑貨が並べられている。
氷をふんだんに使ってよく冷えたラムネ、コーラなどの瓶の飲料がいかにも旨そうだ。
しかし、ここに来るほとんどの客の目当ては、買い物というより食事である。昼時をだいぶ過ぎた時間なので客は少ないが、食事時にはきっと混むのだろう。
蕎麦、うどん、ラーメン、おでん、おにぎりなどのメニューが並ぶ。焼鳥や氷などもある。立ち食い蕎麦と同じように客は券売機で券を買ってカウンターに行くシステムだ。
わたしは天麩羅蕎麦の券を購入して、出来あがった丼を受取り、外に並ぶテーブルに移動した。
(あれっ、いまセキレイが・・・)
眼の前のテーブルの間を、セキレイが尾をちょんちょんと床を叩くようにしながら走り抜けた。気のせい、ではない。
見廻すと、なんと雀も一羽、テーブルの下の空間を飛び歩いていた。
空いているテーブルに腰を降ろして蕎麦を食べ始めると、気配があり、見廻すと右足の後ろのほうに雀がやってきていた。
「おい、すずめちゃん。おそば食べたいのかい?」
すぐ後ろの床にいる雀が可愛くてたまらず、蕎麦を箸でみせびらかしながら話しかけると、周りのテーブルがシーンと静まりかえった。
あ、まずい。
ちらりと見ると、蕎麦を啜りこむ途中で固まってしまったひともいる。しかし、いまさらである。ここでやめればただのヘンなおっさんで終わってしまう。
「ほーら、あげるからね、テーブルの上にきなさい」
ここ、ここだからねと蕎麦を一本だけ、テーブルの上に落とすと、雀は意を決したように床からテーブルの上に飛んできた。
えっ、まさか。
すぐ言うとおりにするとは思わなかったので慌ててカメラを取り出している隙に、蕎麦を一本咥えて飛んでいってしまった。
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