温泉クンの旅日記

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読んだ本 2016年12月

2016-12-28 | 雑読録
  <読んだ本 2016年12月>

 ブログにも書いたが、風邪気味の今月は酒と饂飩の日々であった。
 いま巷で流行りの熱湯5分より長い「10分どんべえ」もいくつか試して食べたが目からウロコであった。焼肉屋のカルビうどんなんかも滋養強壮になったかもしれない。



 戸塚を流れる、もとは暴れ川と呼ばれた「柏尾川」である。



 度重なる治水工事で氾濫の心配もなくなって、水質が改善されるとともに魚が多く生息するようになり、それらを狙っていろいろな水鳥たちが集まってくるようになった。
 アオサギ、白鷺、鴨などはしょっちゅう見かける。



 たまにカモメもいるのが不思議である。下流の海である相模湾からでも十キロ離れているというのに、そのたくましい飛翔力を使って群れでよく現れるのだ。



 戸塚駅の架線にずらりと並ぶカモメは、なんとなく違和感があるようなないような不思議な景観である。
通常はスズメだったりハトだったり烏だったりするのだ。
 のどかな、まるで海辺の駅のようでもある。



 傍若無人な烏の大軍も、侮れない生命力を持つカモメには往生しているようだ。烏もカモメも雑食だから、きっとこの川には餌が豊富にあるのだろう。

 さて、12月に読んだ本ですが一年の締めの月もなかなか凄いぞの9冊、年間累計で大台の92冊でした。

 1. ○61時間 (下)           リー・チャイルド 講談社文庫
 2. ◎あきない世傳 金と銀 早瀬篇二    高田郁 ハルキ文庫
 3.○鯖雲ノ城 居眠り磐音 江戸双紙二十一 佐伯泰英 双葉文庫
 4. ◎火花                 又吉直樹 文芸春秋
 5. ◎親愛なる者へ             野沢尚 フジテレビ出版
 6. ○荒海ノ津 居眠り磐音 江戸双紙二十二 佐伯泰英 双葉文庫
 7. ○万両ノ雪 居眠り磐音 江戸双紙二十三 佐伯泰英 双葉文庫
 8. ○朧夜ノ桜 居眠り磐音 江戸双紙二十四 佐伯泰英 双葉文庫
 9. ○白桐ノ夢 居眠り磐音 江戸双紙二十五 佐伯泰英 双葉文庫

 早瀬篇は、「あきない世傳」の二巻目だ。
 治兵衛は主人公の幸に、絶妙のタイミングで心のこもった助言をする。

  『「大坂には昔から『縁と月日』という言い回しがおます。何と優しい、ええ言葉やろか、と近頃、つくづく感心するんだす」
  「えんとつきひ?」
   大坂で暮らすようになって五年経つが、幸には初めて出会う言葉だった。「えん」は「縁」、「つきひ」は「月日」だろうか、
  と見当をつけて、治兵衛の言葉を待った。
  「もとは、良縁を得るには時をかけよ、という意味やろか。けど、それよりももっと深い味わいの言葉のように思えましてなぁ」
   右の人差し指で、空に「縁」と描いてみせて、治兵衛は続ける。
  「物事が成るか成らんかは、ひとの想いや働きだけで決まるもんやない。ご神仏の手ぇが差し伸べられるかどうかだす。
  それに加えて、起こってしもた難事を解決するためには、短気はあかん。決して諦めんと、歳月をかけてゆっくりと時節を待て、
  という意味やないか、て考えるようになりました」
   卒中風で命を長らえたのはまさに「縁」だった。あとは「月日」をかけてゆっくりと身体の自由を取り戻せば良い
  ――そう思えるようになったのだ、と治兵衛は語った。
   病によって身体の左半分の動きを封じられた治兵衛の言葉は、ずっしりと重みを伴って、幸の心に沁みていく。
   幸、と治兵衛は久々に、娘の名を呼んだ。
  「お前はんが戦国武将になるために、まさに『縁と月日』を待ちなはれ」
   そのためにも焦らずに、今、出来ることをしておきなはれ、と五十鈴屋のもと番頭は店主の後添いに助言を与えた。』


 この助言、主人公の幸でなくても心にしみる。



 以前、番頭の治兵衛に言われたことを幸は思いだす。

  『「ご寮さん、まずは知識をしっかりと身につけなはれ」
  「知識を?」
   鸚鵡返しをする娘に、そう、知識だす、と治兵衛は応える。
  「知恵は、何もないとこからは生まれしまへん。知識、いう蓄えがあってこそ、絞りだせるんが知恵だすのや。
  商いの知恵だけやない、生き抜くためのどんな知恵も、そないして生まれる、と私は思うてます。せやさかい、
  盛大に知識を身につけなはれ」


 この知識と知恵についてはわたしもまったく同感だ。若いころからそう考えていた。ただし、なんとなく偉そうなので人に言ったことはない。
 二巻目読み終えると、たちまち早く三巻目が読みたい。面白い。


  →「読んだ本 2016年11月」の記事はこちら
  


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