<読んだ本 2019年3月>
今年は戸塚の桜も咲くのが早かった。
今朝早く煙草が切れたので桜並木を通って近くのコンビニに向かったのだが、日あたりがいいところの桜をのぞきまだ五分咲きといったところであった。満開まであと二、三日といったところだろう。
旅先での昼メシは当たりもあればハズレも多い。
横浜から千数百キロ離れた海辺の観光地を走っていたとき、値段が高い海鮮系でなく、フツ―の食堂で食べられるような手軽な昼メシが食いたくなった。
その店に入っていくと、地元客が多かった。これは、当たりかも。店先に出した「営業中」の札をしまっている。ぎりぎりセーフだ。
「カルビステーキ定食をください!」
指示された卓に落ち着きメニューを広げると、一番上の品が目に飛び込んだのである。
灰皿がないので禁煙らしい。手持無沙汰に、水を飲みながら店内を見回す。
壁にもメニューやらやたら貼り紙が多い。
「ん!」
食べきれなかった料理はお持ち帰りください、との貼り紙がわたしの逆鱗にザワっと触れた。食べ残すんじゃねえぞ、とやんわり指図しているに等しい。ふざけるな。不味くて残しちゃったヤツを持ち帰れるものか。
前に「頑固な客」という記事でこう書いた。
『ふだんは沈思黙考、まことに寡黙でジツに穏やかな性格である。穏健派で平和主義者だ。ホント。
そんなわたしにも、チラホラと逆鱗はある。
「残した場合には、次回からのご来店をご遠慮ください」
埼玉の寄居にある「I」という讃岐うどんの店の入り口の外にある、張り紙の一文である。
辺鄙で車でしかいけない店まで来て、外にならんでいる客に読ませる文章だろうか。無神経極まる。
ふざけるな、なんたる傲慢、なんたる言い草。讃岐うどんブームでテレビに取り上げられ客が
チョット増えたからといって、のぼせ上がるにもほどがある。見た瞬間に、眼の奥で大量の火薬が
点火されたようにわたしは逆上した。』
「こちら、カルビステーキ定食になります」
右隅にある野菜サラダだが、わたしはドレッシングが好みの場合のみ食べる。持ち帰りはいやだ。
慌てて、厨房に戻ろうとする背中に「あ、ちょっと! サラダはいりません」と声をかける。
一瞬、店内に満ちていた九州弁のざわめきがかき消えた。
戻ってきて、わたしが返す山盛りのサラダ容器を受けとりながら、
(もっと早く造る前にそれ言えよ、あんたが最後の客なんだからさあー)
と、無言だが睨んだ目が確かに素早くそう言った。
ご飯にステーキが盛られた皿は、見た目は一見どうみても美味しそうだが、肉も飯も、とにかく辛味なしただただショッパイ味だった。持ち帰りが厭なので卓にあった唐辛子(胡椒はなかった)を何度もかけて食べきったのだった。
(店の外観やらの写真は、間違いなく地元の人気店らしいので掲載を割愛しました)
あーあ、ココイチのなーんも入っていないシンプルなポークカレーがよかったなあ・・・。
さて、3月に読んだ本ですが、よーしよしよしの7冊、年間累積で20冊です。
1. ○夢三夜 新・よいどれ小籐次八 佐伯泰英 文春文庫
2. ○船参宮 新・よいどれ小籐次九 佐伯泰英 文春文庫
3. ○げんげ 新・よいどれ小籐次十 佐伯泰英 文春文庫
4. ○二都騒乱 新・古着屋総兵衛影始末七 佐伯泰英 文春文庫
5. ○検事の本懐 柚木裕子 宝島社文庫
6. ◎検事の死命 柚木裕子 宝島社文庫
7. ○孤狼の血 柚木裕子 角川書店
読みたい本を図書館でネット予約しているのだが、最大六冊という予約数の縛りがある。本によるが、予約者数が二ケタとか三ケタになると数カ月から半年以上待つことになる。
活字中毒なのでなにか読んでいないと禁断症状になってしまう。だから予約枠をひとつだけ残しておく。そんな困ったときに佐伯泰英であれば著書が膨大な数なので、待たずに読めるので便利で助かっている。
2004年6月から作成を始めた読書リストによれば、自慢でもなんでもないが、佐伯泰英を読み始めたのは2010年6月からだが、約170冊を数えている。
柚木裕子は新年早々に会った、わたしに図書館読みを手ほどきしてくれた先輩が勧めてくれた作家である。
「検事の本懐」、「検事の死命」、いずれもいわゆる短編集なのだが「本懐」「死命」の順で読むのがベストである。
「孤狼の血」は広島の暴力団とマル暴の刑事との話。東映のヤクザ映画を一本みたような読後感である。
女性作家のわりに検事とかマル暴刑事とかの材料を、並みの男性作家顔負けに描写しているなあと感心する。
→「頑固な客」の記事はこちら
→「読んだ本 2019年2月」の記事はこちら
今年は戸塚の桜も咲くのが早かった。
今朝早く煙草が切れたので桜並木を通って近くのコンビニに向かったのだが、日あたりがいいところの桜をのぞきまだ五分咲きといったところであった。満開まであと二、三日といったところだろう。
旅先での昼メシは当たりもあればハズレも多い。
横浜から千数百キロ離れた海辺の観光地を走っていたとき、値段が高い海鮮系でなく、フツ―の食堂で食べられるような手軽な昼メシが食いたくなった。
その店に入っていくと、地元客が多かった。これは、当たりかも。店先に出した「営業中」の札をしまっている。ぎりぎりセーフだ。
「カルビステーキ定食をください!」
指示された卓に落ち着きメニューを広げると、一番上の品が目に飛び込んだのである。
灰皿がないので禁煙らしい。手持無沙汰に、水を飲みながら店内を見回す。
壁にもメニューやらやたら貼り紙が多い。
「ん!」
食べきれなかった料理はお持ち帰りください、との貼り紙がわたしの逆鱗にザワっと触れた。食べ残すんじゃねえぞ、とやんわり指図しているに等しい。ふざけるな。不味くて残しちゃったヤツを持ち帰れるものか。
前に「頑固な客」という記事でこう書いた。
『ふだんは沈思黙考、まことに寡黙でジツに穏やかな性格である。穏健派で平和主義者だ。ホント。
そんなわたしにも、チラホラと逆鱗はある。
「残した場合には、次回からのご来店をご遠慮ください」
埼玉の寄居にある「I」という讃岐うどんの店の入り口の外にある、張り紙の一文である。
辺鄙で車でしかいけない店まで来て、外にならんでいる客に読ませる文章だろうか。無神経極まる。
ふざけるな、なんたる傲慢、なんたる言い草。讃岐うどんブームでテレビに取り上げられ客が
チョット増えたからといって、のぼせ上がるにもほどがある。見た瞬間に、眼の奥で大量の火薬が
点火されたようにわたしは逆上した。』
「こちら、カルビステーキ定食になります」
右隅にある野菜サラダだが、わたしはドレッシングが好みの場合のみ食べる。持ち帰りはいやだ。
慌てて、厨房に戻ろうとする背中に「あ、ちょっと! サラダはいりません」と声をかける。
一瞬、店内に満ちていた九州弁のざわめきがかき消えた。
戻ってきて、わたしが返す山盛りのサラダ容器を受けとりながら、
(もっと早く造る前にそれ言えよ、あんたが最後の客なんだからさあー)
と、無言だが睨んだ目が確かに素早くそう言った。
ご飯にステーキが盛られた皿は、見た目は一見どうみても美味しそうだが、肉も飯も、とにかく辛味なしただただショッパイ味だった。持ち帰りが厭なので卓にあった唐辛子(胡椒はなかった)を何度もかけて食べきったのだった。
(店の外観やらの写真は、間違いなく地元の人気店らしいので掲載を割愛しました)
あーあ、ココイチのなーんも入っていないシンプルなポークカレーがよかったなあ・・・。
さて、3月に読んだ本ですが、よーしよしよしの7冊、年間累積で20冊です。
1. ○夢三夜 新・よいどれ小籐次八 佐伯泰英 文春文庫
2. ○船参宮 新・よいどれ小籐次九 佐伯泰英 文春文庫
3. ○げんげ 新・よいどれ小籐次十 佐伯泰英 文春文庫
4. ○二都騒乱 新・古着屋総兵衛影始末七 佐伯泰英 文春文庫
5. ○検事の本懐 柚木裕子 宝島社文庫
6. ◎検事の死命 柚木裕子 宝島社文庫
7. ○孤狼の血 柚木裕子 角川書店
読みたい本を図書館でネット予約しているのだが、最大六冊という予約数の縛りがある。本によるが、予約者数が二ケタとか三ケタになると数カ月から半年以上待つことになる。
活字中毒なのでなにか読んでいないと禁断症状になってしまう。だから予約枠をひとつだけ残しておく。そんな困ったときに佐伯泰英であれば著書が膨大な数なので、待たずに読めるので便利で助かっている。
2004年6月から作成を始めた読書リストによれば、自慢でもなんでもないが、佐伯泰英を読み始めたのは2010年6月からだが、約170冊を数えている。
柚木裕子は新年早々に会った、わたしに図書館読みを手ほどきしてくれた先輩が勧めてくれた作家である。
「検事の本懐」、「検事の死命」、いずれもいわゆる短編集なのだが「本懐」「死命」の順で読むのがベストである。
「孤狼の血」は広島の暴力団とマル暴の刑事との話。東映のヤクザ映画を一本みたような読後感である。
女性作家のわりに検事とかマル暴刑事とかの材料を、並みの男性作家顔負けに描写しているなあと感心する。
→「頑固な客」の記事はこちら
→「読んだ本 2019年2月」の記事はこちら
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます