温泉クンの旅日記

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ねぶたの家 ワ・ラッセ(2)

2013-12-29 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <ねぶたの家 ワ・ラッセ(2)>

 ねぶたの製作期間は約三カ月である。
 祭りのある八月に間に合わせるため、通常五月から製作が始まるのだ。

 ねぶたはまず題材を決め下絵を描くところから始まる。顔、手、足、槍や刀などの細部を作っておき、作成と作品収納のための広い間口と奥行きを持つねぶた小屋を作る。
 そうして、いよいよねぶた作りである。角材を使った支柱に、針金や糸を使って形を作る。次に照明となる電気配線を完了すると、いよいよ紙(奉書紙)貼りでこのあたりでやっとねぶたらしくなる。
 純白のねぶたに墨で顔や手足、着物の柄など書きわけてから、「ろう書き」といってパラフィンを溶かして模様をつけていく。そして染料で色付けをしてねぶた本体が完成する。
 最後は「台上げ」といって、可動式の台車にねぶた本体を取り付けて「ねぶた」の出来上がりである。



 ワ・ラッセでは大型ねぶたの展示も堪能できるが、壁面のあちこちに掛けられたねぶたの面もなかなかの迫力である。



 きっと、いずれもねぶたの名人達の作品なのだろう。どれもこれも眼に力が籠った面ばかりだ。



 眼に力が籠ったというより、大袈裟だが作者の、いやねぶた師の聖なる魂が籠っているようにも思える。





「画竜点睛」とは、竜を描いて睛(ひとみ)を点ずというが、ねぶたの面も瞳が肝心なのだ。ここがぴたりと決まれば面全体がひときわ引き立つのである。





 軽い興奮状態に陥ってしまったわたしは、出口に展示されたミニねぶたに見送られてワ・ラッセを飛び出ると、新鮮な外気を胸いっぱい取り込んで気分を覚ますのであった。




  ― 続く ―


  →「ねぶたの家 ワ・ラッセ(1)」の記事はこちら

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