温泉クンの旅日記

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うずら屋 長野・戸隠

2007-10-17 | 食べある記
  <うずら屋>

 戸隠といえばなんといっても蕎麦である。

 戸隠は寒暖の温度差が激しい高地である。寒暖の差があるからこそ旨い蕎麦が
できるのだ。蕎麦の生育のころに、昼間暖まった地面に夜急速に冷気がおりる
ため、霧に覆われることが多い。そのためその香り高く風味豊かな美味しい蕎麦は
「霧下蕎麦」と呼ばれている。



 戸隠神社の中社である。



 その門前にある、うずら屋。



 いつもながら混んでいる。
 名前を書いて、脇に備えられた灰皿のへんで煙草を吸って待つ。
 店の表に戸隠蕎麦の由来が書かれている。



 戸隠の蕎麦屋では、須坂でわたしが贔屓にしている「戸隠手打ち蕎麦処 たけの
春」が修行していた「よつかど」に行くことが多い。うずら屋も好きな店のひとつ
だ。その他にも何軒かの蕎麦屋にはいったことがあるが、まずハズレのない地域が
戸隠である。

 やがて名前を呼ばれて、
「これからご案内するお席でよろしければ・・・」
 とひたすら恐縮するご主人に案内され、「はい、ここで結構です」といいながら
腰をおろす。この店は、ギチギチに客を詰め込むようなことはないので、なあに
心配はいらない。

「盛り、を一枚」
 注文し、野沢菜をつまみながらそば茶を啜る。
 続いて蕎麦つゆ、薬味、山葵と山葵卸が運ばれてくる。
 蕎麦猪口につゆを少量いれて口に含み吟味し、山葵を適量摩り下ろして、店内の
あちこちに眼を配っているうちに蕎麦が到着する。



 きれいにぼっち盛になった蕎麦を少量、そのまま味わう。次につゆを少量だけ
つけていただく。
 あとは、山葵と薬味を加えて一気に貪るように勢いよく啜りこみ、あっという間
に食べきる。ふぅ、おいしかった。満足、満足である。
 タイミングよく届いている湯桶から熱い蕎麦湯を注ぎ、残りの蕎麦つゆも足して
飲みきる。
 
 量的には、大盛りがいいのだが実はこのあとに楽しみがある。戸隠から白馬に
抜ける道の途中の鬼無里(きなさ)にある、「いろは堂」のおやきを食べるつもり
なのだ。だから盛り一枚が適量なのである。

「遠いところをわざわざお越しいただきありがとうございました」
 レジで支払いをすませるわたしに、ご主人が丁寧なお礼をいう。
 この言葉、口先だけでなく心から言っているのがわかるのだ。
 わたしが初めて戸隠へ行くひとに、蕎麦屋でまず一番にここを薦めるのは、もち
ろん蕎麦の味もあるが、グループ客だろうがひとり客だろうが常連だろうが初めて
だろうが、均等に迎えてくれるこの接客にあるのだ。


  →須坂の「戸隠手打ち蕎麦処 たけの春」の記事はこちら
  →鬼無里の「いろは堂のおやき」の記事はこちら

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