大牟田・オープンシャッター・サロン茶塘

商店街の活性化を目指して、大牟田市新栄町の空き店舗を改装、サロン茶塘が開設された。茶塘や商店街のイベントを紹介します。

近大クロマグロ、完全養殖の現状

2019年04月05日 05時10分11秒 | 日記
 クロマグロの養殖に取り組む近畿大学水産養殖種苗センター長の岡田貴彦さんが現状とこれまでの過程、これからの課題-目標について話されています。「クロマグロを養殖しようという研究プロジェクトが近畿大学で始まったのは1970年です。試行錯誤を重ね、世界初となるクロマグロの完全養殖に成功したのは2002年のこと。32年かかりました」とその取り組みの大変さ時間の長さを語ってあります。「完全養殖とは、卵から人工孵化させた稚魚を育て、それが親となってまた産卵するサイクルを完成させた養殖方法です。海で魚を捕ってきて育てる方法と異なり、天然資源を減らさずに食料を得られる利点があります。」「完全養殖は、人工的なサイクルの中で生物を育て続けることを通して、人間が安価で安定的に食料を得る仕組みでもあります。いわば畜産における豚や牛と似たステージにクロマグロが立つ、その道が開けたわけです。」と開発の現状が語られています。「とはいえ今の技術では、卵から食品サイズにまで育つ確率がわずか3%ほどであることも事実です。養殖のマダイは40%ですから、遠く及びません。また自然に負荷をかけないとは言っても、エサとして食べさせているのは天然資源であるサバです。これを植物由来の代替たんぱく質に置き換えるためには、まだまだ研究が必要です。」と現在の課題を語られ、「近大マグロの『真の完全養殖』を実現することが、私の目標です。」と話されています。~大変な研究の積み重ねですね。いただきます~も真剣になります。
(下:2019年2月27日朝日新聞<リレーオピニオン>魚のミライ5-聞き手編集委員 塩倉裕「マグロ養殖で探る 共存の道」より)