ジョギングはシャンパンの味

ジョギング、写真、革クラフト、木工、パンつくり、日本の古代史などを趣味にして楽しんでいます。

「環境考古学への招待」を読んで

2012年03月06日 07時17分21秒 | 読書

・・・岩波新書の「環境考古学」という本を読んだ。

  
  

  考古学という名前にひかれて、どんな本かと思って読んでみた。
  読んでみた感想は、一言でいうと、「どんな分野の研究でも、その道に入っていくとずいぶん面白いことがあるものだ」と云うのが感想である。

  書いてあった中の二、三、興味のある事柄を紹介すると、

  1970年代ごろまでは、縄文時代にも馬はいた、という説もあったらしいが、最近の研究で、貝塚などから出土する馬の骨などを精密な年代測定法で測定すると、どうも後世の馬の骨が貝塚に混ざっていたらしい、と云う事が分かってきて、日本の縄文、弥生時代には牛、馬はいなくて、古墳時代から、朝鮮半島経由で大陸から日本列島に馬が入ってきたと云う事である。
  ちなみに、中国正史の有名な「魏志倭人伝」には倭国の風俗の項には「その地には牛、馬、トラ、ヒョウ、羊、カササギがいない」と書いてあります。
  以前はこの記述の信頼性を疑う意見が多かったのですが、三世紀に書かれた日本についての「魏志倭人伝」の記述が正しかったことが証明されたということです。

  著者の活動経験について書かれている部分で、奈良時代の遺跡から発掘された馬の頭の骨から丁寧に脳みそだけが取り出されているのが知ったが、何故そんなことをしていたのか暫く、不明であった事があったらしい。
  ずっと後で、著者が知ったことに「延喜式」の記述の中に、天皇の日用品を調達する規定書の中に、「牛皮をなめすときに、なめす皮の裏側に牛の脳を塗って、脂肪を落とす作業・・・・」と書いてあったそうで、馬の頭の骨を割って、脳を何故取り出したか、そのことから分かったそうです。

  上に書いたような、生活とは関係のないことではあるが、読んで面白い内容がいくつも紹介されていて、暇つぶしに読む本としてはたのしく、興味深く読めました。

コメント
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