小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて19年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

アビガンのスピード承認に期待

2020-05-14 04:33:36 | 雑感
コロナ重症者の致死率は高く、副作用を心配して薬を使わずにいれば、待ち受けているのは死あるのみだ。
多くの命が失われている今、命を救うことを最優先にすべきだ。
アビガンは副作用として催奇性があるため、妊婦には使えないようだが、多くの重篤患者は高齢者である。
また3000例以上の投与があり臨床データも集められている。
十分な有効性があると考えられているのだから、手遅れにならない軽症のうちに投与可能とすべき、と素人なりに考える。
平時ではない緊急時の今、慎重論を採るこの朝日社説は、妥当な意見ではない。
筆者は、自分の家族がコロナ患者だったとしても同じことを言えるのだろうか。

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コロナ治療薬 前のめり排して着実に
出典:朝日新聞社説

新型コロナの治療薬としていくつかの薬が候補に挙がり、試験や研究が進められている。
その一つで米国が重症者向けに緊急使用を許可したレムデシビルを、厚生労働省はスピード承認した。
国内の審査を簡略化できる制度を使った異例の措置だ。
当然ながら副作用の懸念もあり、投与した患者全員の追跡調査をして、慎重に効能を検証することが求められる。
治療薬の早期開発に期待を寄せる声は多い。
関係者は最善の努力を尽くして、これに応えてもらいたい。
しかし、だからといって有効性や安全性を確かめる手続きをないがしろにするわけにはいかない。
いま現場の医師が注目しているのは、国内のメーカーが開発し、新型インフルエンザ用に承認されているアビガンだ。
新型コロナの治療薬としての承認をめざした治験が進んでいるが、それと並行して、多くの医療機関が参加する医学研究(臨床研究)も行われ、実際に患者に服薬してもらっている。
安倍首相は4日の会見で「3千例近い投与が行われ、効果があるという報告も受けている」と述べ、月内の承認をめざす考えを示した。
6日放映のネット番組では対談した京大の山中伸弥教授から、さらなる前倒しに向けて「首相の鶴のひと声」を求められる場面もあった。
だが前のめりになりすぎるのは禁物だ。
多くの患者はアビガンを使わずに回復している。
アビガンを使って良くなった症例をいくら集めても、薬の効果を見極めるのは難しい。
期待先行で評価するようなことがあってはならず、また、動物実験で重い副作用が報告されていることにも留意する必要がある。
思い起こすのは、02年に世界に先駆けて日本で承認された抗がん剤のイレッサだ。
「副作用の少ない夢の新薬」ともてはやされたが、販売直後からその副作用が原因とみられる死亡例が相次いだ。
どんなタイプの患者に効果があるかなどの情報が不十分なまま、広く使われたことが深刻な被害を生んだ。
首相が、病院の倫理委員会の承認が条件としつつ「希望すれば誰でも服用できる」と繰り返しているのも、混乱を招く恐れがある。
全ての病院で処方できるわけではないし、対象から外れた患者が発言を頼りに投与を希望したら、その対応で現場の負担はさらに増えかねない。
政府は40カ国以上にアビガンを無償提供すると表明した。
国内患者の健康に関わるだけでなく国際協力にもつながる薬だからこそ、手順を踏んで遺漏のないようにしたい。
薬害の歴史を忘れることなく、コロナ禍に適切に対処しなければならない。
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ネットで見つけた文書を参考までにはっておく。

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2020 年 4 月 2 日
各 位
デンカ株式会社
「アビガン」の原料供給に関するお知らせ
~新型コロナウイルス感染拡大防止のため、マロン酸ジエチルを生産~
デンカ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山本 学)は、このたび日本政府の要請を受け、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」(一般名:ファビピラビル、以下「アビガン」)の原料となるマロン酸ジエチルを供給することを決定しました。当社青海工場(新潟県糸魚川市)にて、本年 5 月より生産を開始する予定です。
当社は、新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、迅速に生産体制を構築し確実な供給を図ってまいります。
1.本決定の背景
アビガンは、富士フイルム富山化学株式会社が開発した、COVID-19 への治療効果が期待される抗インフルエンザ薬です。COVID-19 は現在、治療法が確立されていない疾患であり、急速かつ世界的な拡大を受けて、本年 3 月 11 日には世界保健機関(WHO)がパンデミックを表明するなど、有効な治療法の早期発見と開発が急務となっています。このたび、「アビガン」の国内薬事承認を進める日本政府より、国内での一貫した供給体制を構築するため国産の原料を使用したいとの要請を受け、マロン酸ジエチルの供給を決定いたしました。
2.マロン酸ジエチルについて
マロン酸ジエチルは、合成香料・農薬・医薬品などの原料として使用される有機化合物で、「アビガン」の原料となります。当社は国内唯一のマロン酸ジエチルメーカーであり、またその原料となるモノクロル酢酸も国内で唯一、当社関連会社のデナック株式会社が生産しております。グループ内で、原料から最終製品に至る一貫生産体制のもと 2017 年 4 月までマロン酸ジエチルの生産を行ってきました。
3.今後の見通し
マロン酸ジエチルの生産にあたっては、2017 年 4 月まで使用していた設備を再稼働するために、他製品の生産ラインからの人員配置転換等により一部製品の減産等一時的な影響が見込まれます。現時点では未定ですが、今後の精査により開示すべき事項が発生した場合は、速やかに公表いたします。
*「アビガン」は富士フイルム富山化学株式会社の登録商標です。
以 上
【報道関係者からの問い合わせ先】
コーポレートコミュニケーション部 TEL:03-5290-5511
【お客様からの問い合わせ先】
エラストマー・機能樹脂部門スチレン・化成品部 TEL:03-5290-5551
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アビガン原料の生産が始まる新潟県糸魚川市にあるデンカ青海工場


マニアに人気の工場夜景。北陸自動車道からも巨大工場は見えるそうだ。