本日は伊東深水の大きめのスケッチの作品の紹介です。
少女 伊東深水筆 その8
紙本水彩額装 共シール付 誂タトウ+黄袋
P12号 全体サイズ:横735*縦885 画サイズ:横440*縦600
迷いのない筆致、淡いながらも見事な配色から、素人判断で申し訳ありませんが、当方では真作と判断しています。
作品は落款はなく、印章のみの作品ですが、共シールが付いています。当方では印章云々の前に一見して真作とジャッジしました。
このような判断は感覚的なものです。理屈抜きですね。作品中の印章は未確認(後日真印と一致を確認)ですが、共シールの印章は資料や他の所蔵作品「菖蒲」の印章と一致していました。
作品だけを見ての入手判断でしたが、当方ではこのような感性的な判断を重んじています。作品を入手する際は売られる方を前にしてあれこれ資料を見ながらでは、売ろうとする相手に失礼になりますね。
失敗もあるでしょうが、美術品の入手は贋作がある限り、ある程度は勝負事ですので度胸も要ります。本作品は茶室に通じる展示スペースに展示してお気に入りの作品として愉しんでいます。
ところで伊東深水のスケッチというと、「南方風俗スケッチ」というのが思い浮かびます。これは第二次世界大戦中の1943(昭和18)年、伊東深水は海軍報道班員として従軍し、南方―東南アジアに向かい、当地で目にした風物に深く感銘を受け、多くのスケッチを制作しました。4か月ほどの滞在で制作されたスケッチは四百数十点にものぼったと言います。膨大なスケッチのうち、現在270点ほどが市川市の所蔵になり、「南方風俗スケッチ」と称されるものです。
上記写真のように2012年に展覧会が催されていたようです。