夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

恵比寿大黒図 柴田是真筆 その4

2013-11-21 05:28:52 | 掛け軸
夜遅くまで「桜ほうさら」(宮部みゆき著 PHP研究所出版)という娯楽小説のわりには分厚い本を読み切りました。なかなか面白い小説です。「ささらほうさら」は「いろいろあってたいへんだった」 という意味のようです。その言葉をもじった小説の題名です。「ささらほうさら」とつぶやきながら、なかなか寝付けませんでした。

さて本日は柴田是真実の作品です。柴田是真は3度?結婚、67歳になって三男誕生・・・、タフマンですな・・、負けてはいられない。

恵比寿大黒図 柴田是真筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先本象牙 合箱二重箱入
全体サイズ:縦1935*横633 画サイズ:縦992*横541



 なんともめでたい図柄であり、思わず家内も欲しいと・・・

大黒様と打ち出の小槌、そして鼠、鼠は大黒様の使いとか・・、恵比寿様は釣り上手。これまた大きな鯛が釣れたものです。

恵比寿様は楽しそう、大黒様はたいへんそう・・この図をみて思い出すのは下記の河鍋暁斎の作品です。

恵比寿・大黒図  河鍋暁斎筆
紙本水墨淡彩絹装軸装箱 
画サイズ:横320*縦1165

この作品は河鍋暁斎が一家で正月に書き始めのときに描いた作品と思われます。当時は画家が弟子や家族と描き始めをしたことは想像に難くありません。本作品もそのような部類と思われます。

仲が悪いと言われている河鍋暁斎と柴田是真・・、実際はどうかは解りません。共同の作が少ないですが現存するようです。小生は資金不足で下記の作品を売却したことを今でも後悔していますが・・。

鶴扇面図 柴田是真・河鍋暁斎筆
紙本着色絹装軸木製軸先箱入 
全体サイズ:縦1030*横542 画サイズ:横500*扇面縦158

本作品は表具は改装しています。落書きの跡もあるなど、紙も継ぎ合わせがあるなど・・。

大黒天様の袋がまるで月に見えるようにも見えます。天上から鯛を釣る???



大黒様と恵比寿様の表情は柴田是真の子供の表情によく使われます。



「鯛」のこのような描き方は例が漆絵にありますが、こんなに大きい鯛は珍しい。



現在は非公開ですが、以前に下記の作品を投稿したことがあります。

児戯之図 柴田是真筆
絹本着色軸装東京美術倶楽部売立品 
全体サイズ:縦*横 画サイズ:横730*縦1110



子共のような表情の大黒様。



いかにも愉しそうな恵比寿様・・、まさか鯛を逃したりはしませんよね。まるで恵比寿・大黒様と鯛との綱引きのようにも見えます。竿が綱引きのライン??? 恵比寿・大黒様が分が悪い???



その鯛もとぼけた表情・・。綱引きには余裕の表情・・・、釣られる側の悲惨は微塵もない。



大黒様のお使いの鼠。いろんな想像をさせてくれる絵ほどいい作品だと思いまます。洒脱な柴田是真・・、明治が生んだ偉大な洒落た御仁です。



ほかには柴田については下記のような作品も投稿しています。


甲子之図 柴田是真筆絹装軸紙本水墨鑑定箱入 
画サイズ:196*788



柴田是真が78歳の作品です。



エビで鯛を釣る・・、「ささらほうさら」の人生でも・・・・、なんともめでたい






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