本日紹介する作品は平福穂庵の明治初め頃に描いたと思われる作品の紹介です。
猿使い図 平福穂庵筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先骨 合箱
全体サイズ:縦1790*横360 画サイズ:縦895*横240
*北海道渡航時代:画壇へのデビュー(明治5年~16年)
平福穂庵の筋のよい作品は少ないようです。地元の秋田で出回る作品が一番たちが悪いようです。これは平福百穂、倉田松濤、寺崎廣業らも同じです。
落款と印章(白文朱方印「芸耕之印」、朱文白方印「穂庵」)は他の所蔵作品「白描山水図 入江孤舟(仮題)」と同一です。
この作品の頃から中央画壇の中心人物として、活躍していく平福穂庵ですが、独自の画風は益々円熟していき、細部までも画枝に支えられる美しくも果敢な、人間の物語りを語るような深い作風となっていきます。
彼の写実性は息子である平福百穂にも受け継がれて生き、平福の名は日本において大きな意味を持つようになっていきました。