夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

うれしさのあまり 池田勇八作

2018-07-10 00:01:00 | 彫刻
なにやら干支の彫刻の作品の中に下記の作品が混じっていました。当方では今まで馴染みのない彫刻家の作品のようです。応接室に飾ってちょっと調べてみました。



うれしさのあまり 池田勇八作
共箱
幅460*奥行110*高さ250



この彫刻を調べていくとインターネット上の記事には下記の写真がありました。「大正天皇が乗った馬の彫刻像(香川県綾川町役場にて)」との記事の内容です。



大正天皇についての記述に「学習院での学習は一向に進まず、乗馬などに進歩があった一方で、抽象的な思考を要する理数系の教科を苦手とした。」という記述があるように大正天皇は皇太子時代に乗馬に勤しんだ時期があったようです。



箱には「うれしさのあまり」と題されており、大正天皇との関連性はよくわかっていません。作者は「勇八」、どうも下記の記事から「馬の勇八」と呼ばれ、馬の彫刻を得意とした彫刻家の作品のようです。

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池田勇八:明治19(1886)年8月28日生まれ、昭和38(1963)年3月31日没。明治-昭和時代の彫刻家。香川県出身。東京美術学校彫刻科選科〔明治40年〕卒。

明治40年東京勧業博覧会で「柔術」が銅牌を受賞。42年文展第3回展に「馬」が初入選。大正5年第10回展「川辺にて」、第11回展「目かくし」、第12回展「麓そだち」が連続特選となって、大正9年帝展審査員に推された。

大正10年に第1回個展を開き、昭和16年までに20回を重ねた。また昭和9年まで帝展無鑑査出品。昭和10年帝展改組で日名子実三らと第3部会を結成、審査員を務め昭和16年退会。この間、昭和7年のロサンゼルス、昭和11年のベルリン再オリンピック芸術部門審査員を務めた。

戦後日展に復帰、出品依嘱者となったが、昭和33年からは個展発表に専心。題材を動物に絞り「馬の勇八」で知られた。生前企画した「動物彫刻60年回顧展」が没後の昭和38年、日本橋三越で開かれた。昭和38年3月31日死去。76歳。題材を動物にしぼり「馬の勇八」といわれた。作品はほかに「川べにて」など。

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馬の親子を表現した作品ですが、親子の情の深さを見事に表現しています。



親馬の引き離されていたのでしょうか? 仔馬が嬉しそうに親に甘える姿が良く表現されている微笑ましい写真です。



何点か製作された作品と推察されますが、上記の記事以外に同じ作品は見当たりません。

梱包の中には昭和43年の記事と高島屋の値札が同封されていました。お値段は33万円、当時としては結構高かったのでしょうね。



今では忘れ去られた彫刻家?


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