夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

源内焼 その104&105 褐釉山中楼閣文角小皿&蓋付碗 

2017-10-27 00:01:00 | 陶磁器
最近の日本代表のサッカーの試合についてですが、あまりにも日本の良さが出ていない試合なのでがっかりですね。日本の良さはフィジカル面や個人技では見劣りするのは当たり前で、組織力で勝負しなくてはいけないのに、新戦力でにわか仕込みのメンバーではやはり守備が崩壊しました。

組織力を生かすには走れない、連携ができないでは勝負になりません。その点が浮き彫りになった試合だったとも言えます。これはサッカーだけでなく、すべての組織に共通する日本の組織の特性だといえるように思えます。

走る能力に劣る選手は選考から除外していくこと、組織に忠誠心の薄い選手も同様・・。これは会社も同じです。大切なことは古臭い言葉ですが「忠誠心」・・。

さて本日は小さな作品の紹介です。



小さな角皿の源内焼の作品。補修の跡がありますので、作品としては俗にいう「参考作品」です。「参考作品」というのは、美術的な価値はさておいて、蒐集する際に参考となるものという意味でしょうか? 発掘された陶片などによく使われます。

源内焼 その104 褐釉山中楼閣文角小皿 
修理跡有 箱入
幅119*奥行95*高さ29



釉薬は褐色の釉薬のみが使われています。これは源内焼では珍しくありません。なおこのような小さな角皿は源内焼では非常に珍しいものです。文様なまるで山水画のような趣があり、源内焼の魅力が十二分にある作品です。



塗蓋など作って、爪楊枝入や名刺入などにいいかもしれませんね。



ついでに褐釉の源内焼で珍しい作品をもうひとつ・・。

伝源内焼 その105 褐釉山中楼閣文蓋付茶碗 
修理跡有 箱入
口径125*高台径*高さ88



このような蓋付の碗の源内焼の作品は図鑑にも掲載されていません。



残念ながら蓋に補修の跡がありますが、きれいに金繕いされており、明らかに源内焼の作品で、揃いで実際に使われたもののように推察しています。



蓋付の汁椀は蒔絵の作品などが身分の高い方が当時は使われていたのでしょうが、源内焼という趣向を考えたのでしょう。



見込みは褐釉・・。源内焼の職人が轆轤にも精通していた? 磁器?                                                        



ついでに小さな作品をもうひとつ・・。

藁釉祝臼蓋置 鹿児島寿蔵作
共箱
最大径57*高さ60



こちらの作品の作者である鹿児島寿蔵は人間国宝にもなっている人形作家として著名ですが、香合などの商品の茶道具などの作品もときおり見受けます。



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鹿児島寿蔵:(かごしま じゅぞう)1898年12月10日 ~1982年8月22日)は、人形作家、歌人。福岡市生まれ。有岡米次郎に博多人形製作を学ぶ。



1932年紙塑人形を創始、1933年日本紙塑藝術研究所を開き、1934年人形美術団体甲戌会を結成する。1936年帝展に入選する。1961年紙塑人形の人間国宝となる。1968年、『故郷の灯』他で第2回迢空賞受賞。勲三等瑞宝章。門下に三国玲子など。アララギ派の歌人としても知られ、島木赤彦・土屋文明に師事、歌誌「潮汐」を創刊、歌集に『魚鱗』『故郷の灯』等。昭和57年(1982)歿、83才。

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鹿児島寿蔵作の藁灰釉の陶器の他の作品は「おびや窯」で制作されたと説明ありますが、「おびや窯」についての詳細は当方ではよくわかりません。



ネットオークションで見かけ、面白そうなので購入した作品らです。このような作品、小さめの作品は場所もとらず、蒐集対象には愉しい作品群ですね。

「小粒ながら山椒はぴりりと辛い」そういう作品は、陶磁器だけではなく人材としても日本の組織では大切・・。


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