夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

ず~っと気になっていた作品 月光燈影図 伝寺崎廣業筆 明治32年(1899年)頃

2020-12-28 00:01:00 | 掛け軸
先週の金曜日、帰宅してからクリスマス。イブにはサンタさんからのプレゼンタをいただきご機嫌の息子です。



ささやかながら我が家のデイナーです。



さて本日はどうせ模写の作品だろうとしばらく放置していた作品の紹介です。というのは寺崎廣業の初期(明治34年制作)の代表作「月光燈影」とほぼ同じ構図の作品だからですし、印影に真印とちょっと違いがあるからです。



月光燈影図 伝寺崎廣業筆 明治32年(1899年)頃
水墨着色絹本軸装 軸先象牙 合箱 
全体サイズ:横696*縦2180 画サイズ:横493*縦1270

 

著名な作品は下記の作品で、本作品が真作なら本作品よりあとの作ではないかと思われます。この点からは模写ではなく試作のような存在?の可能性をのこしています。

「月光燈影」 横85.6cm*縦174.0 明治34年



題材については
「時は平安時代末期、高倉天皇は皇后がありながらも、宮中第一の美人で琴の名手の小督局を溺愛していたが、当時権勢をふるっていた平清盛の妨害にあう。それ故に嵯峨野の奥に身を隠した局は、秋の月明かりのもと、愛しい天皇を想いながら琴を弾く。廣業は月の光線美に着目しながら、局の雅な哀感を見事に表現している。」という画題の背景があります。

月明かりと燈火を表現しながら描かれています。本作品は本作「月光燈影」(明治34年作)とは顔や髪、着物の表現に違いがみられ、作品の大きさも違うことから、本画の前描きの作品との可能性が考えられます。

一方ではよくできている模写とも考察されますが、真贋は不明です。



処分しようかと逡巡していた作品ですが、資料として遺すことにしました。費用がかさむのですが、染み抜き・改装・太巻保存としようと思っています。



この時期の寺崎廣業の作品にはまだ稚拙な描き方もありますが、全体によく描けています。本作に向けて着物、顔の表情などの修練の具合が解るとも推定されます。



このような作品は小生のような審美眼の希薄な「もの好き」しか食指を伸ばさないでしょうね。



元来このような作品は当方で蒐集した100点前後の寺崎廣業関連の作品でも異色の作品?かもしれません。



この印章はこの時期にはよく押印していますが、ちょっと気になる点があります。ただこの印影に近い真作の作品もあるのも見つけていますが・・。ともかく真贋というのは難しい・・・。

*なお落款のぎこちなさに違和感はありません。この時期の落款にはこういう書体がみられます。



寺崎廣業の美人画関連だけの作品を展示しても面白いかもしれませんね。

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