
一昨日は家で遊ぶ予定の友達らが都合が悪くなって、家内と子供は近所の川へ遊びに行ってきたようです。帰宅すると応接間に採ってきた草花が活けてありました。
*花入れは展示室にあった李朝の作品です。川を表現していますが、下に敷いていある敷布は義母が要らなくなった帯を裁縫したものです。

さて本日の紹介する作品です。
本ブログで何度も記述しているように、平福百穂の作品においては真贋の判定が非常に難しいものと考えています。しかも我が地元の秋田に多いようです。本日のこの作品は地元からの入手ではありませんが、未確認の印章のみで鑑定も鳥谷幡山ですので、指定の鑑定人ではありません。しかし、当方では本作品は真作に相違ないと判断しています。これはもはや素人の直感でしかありません。
峠路(仮題) 平福百穂筆
紙本水墨軸装 作品中に印のみ 鳥谷幡山鑑定箱入
作品サイズ:縦*横 画サイズ:縦270*横240

この筆使いは平福百穂独特なものです。

下記の他の作品の説明にあるように「淡墨とたっぷり含んだ筆を押し付けて紙を潤して・・・」という筆使いは贋作では不可能です。

岩は淡墨の浸潤と擦筆で描写し、峰の向こう側の空にほんの少し淡彩の青みをつけています。

印のみという作品ですが、依頼されての作品、もしくは不完全な仕上がりの作品なのかもしれませんが詳細は不明です。

箱の誂えはそれなり・・・。
作品中の印章は当方では未確認の印章で、箱書には「平福百穂画伯筆 夏山□□」と箱書され、裏には昭和庚辰(かのえたつ、こうきんのたつ、こうしん 1940年 昭和15年 鳥谷幡山簽題」とあります。鳥谷幡山は本ブログではおなじみの画家ですが、橋本雅邦、寺崎廣業の門下で、平福父子の鑑定も行っていますが、専門ではないようです。

ただし鳥谷幡山の鑑定は本物ですし、意外に鳥谷幡山の鑑定に贋作は少ないようです。鳥谷幡山の印章は他のものと印影と大きさが一致します。

生誕120周年に発刊された画集に1933年(昭和8年)に描いた「峠路」という作品が掲載されています。

解説文は下記の写真のとおりです。平福百穂が帰郷の際に通る「仙巌峠」を描いた作品は複数枚知られていますし、工藝作品にもなっています。
*なお平福百穂の作品で「峠」、「松」、「鮎」、「牛に乗った少年」を描いた作品は工藝作品と疑ったほういいでしょう。
描いた時期は不明であり、押印されている印章も確認出来ていませんが、この作品は真作と判断していいようです。図集掲載の「峠路」と同時期の作とも推定されます。

ひとつの作品からいろいろと調べていくには手元にそれなりの資料が必要となるようですが、当方ではまだまだ不足しています。
*花入れは展示室にあった李朝の作品です。川を表現していますが、下に敷いていある敷布は義母が要らなくなった帯を裁縫したものです。

さて本日の紹介する作品です。
本ブログで何度も記述しているように、平福百穂の作品においては真贋の判定が非常に難しいものと考えています。しかも我が地元の秋田に多いようです。本日のこの作品は地元からの入手ではありませんが、未確認の印章のみで鑑定も鳥谷幡山ですので、指定の鑑定人ではありません。しかし、当方では本作品は真作に相違ないと判断しています。これはもはや素人の直感でしかありません。
峠路(仮題) 平福百穂筆
紙本水墨軸装 作品中に印のみ 鳥谷幡山鑑定箱入
作品サイズ:縦*横 画サイズ:縦270*横240


この筆使いは平福百穂独特なものです。

下記の他の作品の説明にあるように「淡墨とたっぷり含んだ筆を押し付けて紙を潤して・・・」という筆使いは贋作では不可能です。

岩は淡墨の浸潤と擦筆で描写し、峰の向こう側の空にほんの少し淡彩の青みをつけています。

印のみという作品ですが、依頼されての作品、もしくは不完全な仕上がりの作品なのかもしれませんが詳細は不明です。

箱の誂えはそれなり・・・。

作品中の印章は当方では未確認の印章で、箱書には「平福百穂画伯筆 夏山□□」と箱書され、裏には昭和庚辰(かのえたつ、こうきんのたつ、こうしん 1940年 昭和15年 鳥谷幡山簽題」とあります。鳥谷幡山は本ブログではおなじみの画家ですが、橋本雅邦、寺崎廣業の門下で、平福父子の鑑定も行っていますが、専門ではないようです。



ただし鳥谷幡山の鑑定は本物ですし、意外に鳥谷幡山の鑑定に贋作は少ないようです。鳥谷幡山の印章は他のものと印影と大きさが一致します。


生誕120周年に発刊された画集に1933年(昭和8年)に描いた「峠路」という作品が掲載されています。

解説文は下記の写真のとおりです。平福百穂が帰郷の際に通る「仙巌峠」を描いた作品は複数枚知られていますし、工藝作品にもなっています。
*なお平福百穂の作品で「峠」、「松」、「鮎」、「牛に乗った少年」を描いた作品は工藝作品と疑ったほういいでしょう。
描いた時期は不明であり、押印されている印章も確認出来ていませんが、この作品は真作と判断していいようです。図集掲載の「峠路」と同時期の作とも推定されます。

ひとつの作品からいろいろと調べていくには手元にそれなりの資料が必要となるようですが、当方ではまだまだ不足しています。