よくわからない作品でも、出来が良いので遺している作品があります。基本的に気に入っているので飾って楽しむのですが、やはり表具や保存はキチンとしておきたくなります。
そんな作品のひとつが下記の作品です。
貝葉草虫図 伝斉白石筆 1950年頃
水墨淡彩軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1850*横480 画サイズ:縦*横
2022年6月 改装:¥20,000
底に桟を廻して紐通し穴を開けます ¥5,000
このたび改装されて仕上がっていたので紹介します。
斉白石の作品は模倣作品や肉筆と区別がつかない水孔印刷の作品がほとんどで素人にはまったく解らないものです。
*本作品はあくまでも「伝」です。
それはそれで割り切って気に入った作品は愉しむことです。
さて本日の作品は、30年がかりで少しづつ蒐集してきた浜田庄司の作品です。
蒐集作品の整理にとりかかっていますが、70歳まじかにして「断捨離」ではなく、執着整理のような行動です。
晩年の浜田庄司の作品の見所は釉薬の掛け方もさるものながら、釉薬の凄みというものですので、必ず見込みや中も見どころになっています。
下記の作品は母が知人から形見分けとして頂いた作品です。
市松紋様鐵釉 六角花立 その3 浜田庄司作(花入 その11)
共箱
全体サイズ:幅101*奥行き92*高さ193
この手の花立は浜田庄司の作品ではかなりの数があります。出来不出来で多少の価格に違いはあるでしょう。
濱田庄司の作品で一番評価が高いのはおそらく赤絵の作品ですね。蝋抜きの黍文様の作品もよく見かけますが、人気の赤絵の作品はさておいて、当方にはやはり晩年の釉薬がたっぷり掛けられた作品が一番の魅力です。
市松文様の作品は意外に少ないですね。型で作られて数多くあるので、工房作品もあるかもしれませんし、模倣作品もある可能性は高いですので、きちんと共箱がないといけません。
要注意なのは浜田庄司には作品に銘がないので、箱がしっかりしていても中身をすり替えていることもあります。
蒐集家が公共の場に貸し出してた数個の浜田庄司作の茶碗の作品が共箱を残して盗難にあったそうです。「共箱がないとダメですよね。」と小生が尋ねると「作品を見れば解るよ。」という蒐集家の答え・・さすが
さて下記の茶碗も母が知人から形見分けとして頂いた作品です。
鐡繪茶碗 その4 浜田庄司作 (茶碗 その9)=浜田庄司茶碗のうち「茶碗 その9 / 鉄絵茶碗 その4」
杉共箱
口径約143*高さ80*高台径約60
浜田庄司の茶碗はあくまでも民芸・・。飯茶碗にするもよし、普段使いのお薄に使うもよし。
時には漬物の盛り付けでもいいでしょう。
浜田庄司のお茶碗は使い込むほどに味が出てきます。河井寛次郎の作は意外に味が出てこない。釉薬の違いでしょうね。
頂いた方とはお盆に訪ねた際に、母と点てていただいたお薄をご相伴したものでした。思い出深い茶碗のひとつです。茶渋が沁み込んでいますね。
蒐集家によると所蔵している作品の共箱の多くは蒐集家が経営する秋田杉の製材所からの材料が多く使われているとのことです。箱書きはむろん浜田庄司のよるものです。
思い出のある作品であり普段使うには惜しいような気もしますが、今使わずしていつ使う・・。