夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

SMサイズの小作品 (光悦寺)参道 福田豊四郎筆 その141

2022-07-18 00:01:00 | 日本画
渡辺省亭の下記の作品の改装をしました。

菖蒲白鷺図 渡辺省亭筆 その7
絹本水墨淡彩軸装 軸先 合箱二重箱
全体サイズ:縦1880*横530 画サイズ:縦1040*横410



改装するかどうかは迷ったのですが、シミが出始めていたので思い切って染み抜きの改装をしております。



もともと二重箱に収められているなど、筆数の少ない作品ですが、渡辺省亭の魅力が凝縮された作品だと思います。



本日の作品は当方の蒐集対象である福田豊四郎による小作品です。この作品は福田豊四郎にとっては珍しい画題ですが、最晩年の作であろうと推察しています。


家内からの指摘もありましたが、新緑と紅葉が美しい楓の参道で知られる京都鷹ヶ峰の光悦寺の参道を描いた作品でしょう。

福田豊四郎は昭和39年7月に京都に取材旅行に行っています。その年の11月には東京プリンスホテル内のフジインターナショナルアートで「福田豊四郎 東洛風趣展」を開催しています。



(光悦寺)参道(仮題) 福田豊四郎筆 その141
紙本着色 額装タトウ入
SM 作品サイズ:縦*横


大正12年から昭和3年まで福田豊四郎は修行時代に土田麦僊に師事して京都に在住していました。その当時から福田豊四郎は父とは絵を通して親交があり、祖母も含めて家族ぐるみの付き合いであったそうです。母によると父が亡くなった際には父がお世話になった方々に差し上げる色紙の作品を描いていただいたそうです。


落款からは最晩年の作と推定されます。昭和40年からは入退院を繰り返し、昭和45年に亡くなっています。(享年65歳)入院中には母と姉もお見舞いに行っています。その際に父方の母(当方の祖母)にと色紙の作品を頂いたそうです。


その祖母への作品は今は小生が頂いており、手元にあります。懐かしきかな、望郷の画家・・・。

*ちなみにNHKで放映されている「シャ―ロックホームズ」のドラマでワトソン氏の声優は福田豊四郎氏の子息の福田豊士です。


額の裏面に時を感じますが、額装店にて修理を依頼しました。→相談の結果、ほぼこのままとすること・・。



黄袋とタトウも誂えておきます。黄袋は作品の保護のほかにタトウからの出し入れに際して取り出しが楽になるのと額が傷つくのを防止してくれます。また作品が額から取り出せないのもいけません。時折額から作品を外してガラスやアクリル板の汚れを落とすことが必要です。また額でも内部にはカビやシミが発生しますね。




















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