夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

大日本魚類画集 NO58 飛魚図 大野麥風画

2019-02-27 00:01:00 | 掛け軸
「大日本魚類画集」の版画を少しずつ蒐集していますが、その過程でいくつかの肉筆画を入手していることは本ブログで記述していますが、本日はその肉筆画と図集の版画の双方についての紹介となります。

鮒図 大野麥風筆 
紙本水墨淡彩 色紙 タトウ
画サイズ:縦270*横240





********************************************

大野麥風:洋画家。東京生。名は要蔵。白馬会・太平洋画会に学ぶ。兵庫県に住した。昭和51年(1976)歿、87才。有名なのは『大日本魚類画集』(昭和12年から19年まで6期に分け発行 500部限定)で、全72セットといわれていますが詳細は不明です。

『大日本魚類画集』は昭和十年代に部数限定&解説つきで毎月一枚ずつ販売された。当初は水族館で魚を観察していたが、やがて海の中で泳ぐ魚を求め潜水艇に乗り込み、間近で観察し始めた。

鱗の模様などを細やかに描写するとともに、生息環境をも正確に描き出した。海水魚だけではなくドジョウやメダカといった川魚も、色鮮やかに生き生きと描写した。

2010年に姫路市立美術館でそのすべてが公開されたのが初めてで、2013年に東京ステーションギャラリーで公開された。驚くことは「原色木版二百度手摺(てす)り」と、この木版画集のうたい文句があるように、200回も重ねて摺って1枚が完成するという手法だ。一般的な浮世絵なら10回ほどだからいかに特異であったかがわかる。それは彫師や摺(すり)師ら優秀な職人がいたからこそ可能となった。

********************************************



鮒図 田口黄葵筆 
紙本淡彩 色紙 タトウ
色紙サイズ:縦270*横240





田口黄葵:師・荒木寛畝 荒木十畝。 明治19年東京生まれ。日本画家旧文帝展系。文帝四 院三 読画会幹事



大日本魚類画集 NO58 飛魚図 大野麥風画
紙本淡彩額装 版画 1938年1月第6回
画サイズ:縦395*横278





鮮やかな海の青に躍動感のある波の表現、銀彩が施された飛魚の表現・・・。





実に印象的な版画の表現です。





大野麥風の作品は版画となって見違えるように鮮やかな作品となっています。









当然彫師と摺師の技量によるのでしょうが、このシリーズは見事な出来栄えです。もっと評価されてよいシリーズでしょう。おおよそ単品で一作品が5万円から7万円前後で売られています。

 

東京ステーションギャラリーで開催された「大野麥風展」に際して出版された図集の表紙に取り上げられている作品がこの作品です。





大日本魚類画集のNO58(図集の整理NO) に掲載されていますが、大野麥風版画の代表作と言っていいのでしょう。





さていつになったら全シリーズ72種類が揃うことやら・・・。



これまでに集めたのは6作品のみ・・・、全部を展示室に飾ってみました。



横の作品と縦の作品が3種類ずつです。



各々いろんな額に入れて飾るのも楽しいものです。



上の写真は色違いの同じ額です。



違う額でもマットの柄は統一していこうかと思っています。



72種類中まだ6作品。揃いで出版されたのが500部。それ以外にバラで売られたようですが・・。



本日はまるで水族館にきたようなブログとなりました。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。