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夜は会社の同僚らと一献、昼には突然訪ねてきた元同僚と昼食。夜の会食で風邪が治り、昼の食事は赤坂界隈の料亭でランチをご馳走になりました。料亭の玄関正面には魯山人の金彩緑釉透かし壷(たぶんこのような名称)・・・。食事の部屋には唐三彩に松林桂月の額装の絵が飾られていました。あとはたいしたものはないとみましたが、客が多くすべての部屋は見て回れませんでした。
本日の作品は赤絵の火入です。陶磁器店をのぞくと近代の量産品に必ずといっていいほど赤絵の商品がありますが、その原点は京焼や伊万里ではなく、中国の呉須赤絵の作品群のように思えます。
逆に明末赤絵の作品を蒐集いくとその寄り道のひとつに日本の模倣品に出会うことになります。日本人好みに合わせて中国で作られた作品群ですのが、日本で作られたものには優品が多いのは当たり前ですが、赤絵の優品を製作していた犬山焼や京焼については見慣れてくるとある程度中国で作られたものと簡単に見分けられますが、奥田頴川の作品になると中国の「本歌の作品に迫るものがあります。
呉州赤絵写六角火入 (伝奥田頴川作)
杉箱入
全体サイズ:口径97*高さ87
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今回のような火入や鉢の作品群については、骨董蒐集している方から「奥田頴川の作品です。」と見せられることはよくあることです。なぜかしら一度としていい作品だと感じたことはありません。呉須赤絵の火入のような器になるとすぐに奥田頴川の作品と思いたくなる、したくなるものなのでしょう。数千円のものが数十万になるからでしょう。
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当方では確証がありませんが、そのような作品については、日本製や本歌の作品に箱や作品に銘を入れたものならまだいいほうで、ひどくなると意図的に作られた出来の悪い贋作がほとんどのようです。釉薬が厚くていくらなんでも重いものなど・・。
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骨董の掘り出し物へのロマンばかり追いかけていると贋作の山が出来ることになりますが、とくに地方の資産家の年配者、お寺の住職さんなどに多いようです。地方は骨董を行商で売る歩いた時代があるとかで、裕福な家の中には騙されることが多かったらしいと聞いたことがあります。
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本作品は呉須赤絵の作品としては出来のよいものだと思いますが、奥田頴川とは断定できませんね。
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胎土が非常に白いようですがこの辺が生産地の根拠になりそうです。
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箱にはあいも変わらず「奥田頴川作」(張り紙)と記されていますが、まったく確証はありません。この張り紙は剥がすこととします。
参考までに下記の作品(頴川の名品)を掲載しておきます。
参考作品
色絵麒麟菊花文水指
東京国立博物館所蔵
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赤絵飛凰文隅切膳など
益子参考館ギャラリー
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文献には下記のような説明があります。いかにもまともな説明で基本知識のようです。
*************************************
頴川の作品の特徴:
1.明の呉州赤絵の写しとは思えないほど萎縮したところが全く無い、むしろ本歌を圧倒する豪快な雰囲気があること。頴川には魚、兎、鳥、変形した龍、鳳凰をスピード溢れるタッチで描く才がある。
2.作品の底には砂が着いていることが多く、なすりつけられたようなドロドロした釉薬の特徴があり、やや青灰色を帯びた白磁釉はドロリと厚めに掛けられ、たまりが見られ、また一部掛け外しが見られる。さらに一部ではカイラギになっていることもある。
3.頴川特有の筆の走りはあたかもその人だけのサインのように他人には真似ができない。
4.頴川は作品には殆ど銘を入れず、よほどの力作でないかぎり落款はない。箱書は皆無である。
*ただし、その特徴を掴んだ贋作が存在する。村田寿九郎や頴川の門人の楽只亭嘉助らがうまいが、完全には摸作できていない。
*************************************
このような説明は的を得ているようですが、真贋の判断には却って仇になることが多いものです。「絵付けは勢いがある、釉薬は間違いない、サインはない、共箱でない。」思い込んだらその作品そのものの良さの判断を怠ることになりかねません。小生も然り・・・。
参考までに今までに縁があって手元にある呉須赤絵の鉢や火入の作品を紹介します。
他の所蔵作品 その1
呉州赤絵写五角鉢 奥田頴川作
時代箱(菓子鉢 唐絵鉢)入
全体サイズ:幅155*155*高さ70
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知識だけが優先すると贋作を手にすることが多い。
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虫喰い、砂付高台だと決まりごとだけで作品をみないこと。
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唐津は三日月高台、ちりめんの土などというのはまったくあてにならないようです。ましては箱からはまったくなにも推察できません。いいものが悪い箱に入っている場合もあるようです。
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当方の作品もまた頴川という確証はありません。作品の出来不出来でものの良さは決まるものと思うのがいいのでしょう。いずれにしろ頴川と名乗らぬがよろしいかと覚悟しています。もはや市場には頴川作の真作はないものと思ったほうが正しいようです。
他の所蔵作品 その2
呉州赤絵写火入 伝奥田頴川作
合箱
全体サイズ:口径100*高台径65*高さ85
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ところで「頴川」という銘は力作でなくても入っていることがあります。「頴川は作品には殆ど銘を入れず、よほどの力作でないかぎり落款はない。」という記事は一般論ですが、とはいえあらぬ期待を持ってはいけませんね。ちなみに「頴」の字はこの作品の書体のように「「ヒ」の字が「止」に近い字になるのが正しいとのことです。
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骨董蒐集というのはロマンと称して、掘り出し物を見つけることが生きがいのような人もいます。「資金を投じていいものだけを信頼のある骨董商から買うのはいかにもつまらない。」という方が多いのです。とくに中国の骨董など明末赤絵の作品を買うのは骨董商を通しては非常に高い値段で買うことになりますからそれもまたいたしかたないのですが、どちらかに偏りすぎるといけないのも真実のようです
掘り出し物を探しながら、いいものだけに蒐集作品を絞り込んでいくのがいいように思います。贋作は間違いなく入り込んできますが、徐々に排除していく努力が必要のようです。そうでないと贋作ばかりの蒐集になっていまいます。かくいう小生もその一人かな?
「買うべし、売るべし、休むべし」・・「苦労して貯めた身銭で買って、売って処分し第三者の評価を知り、蒐集を休んで勉強する。」これしか骨董蒐集の道はないようです。
少なくても大概の飾られている作品の概要は解るようになってきました。
本日の作品は赤絵の火入です。陶磁器店をのぞくと近代の量産品に必ずといっていいほど赤絵の商品がありますが、その原点は京焼や伊万里ではなく、中国の呉須赤絵の作品群のように思えます。
逆に明末赤絵の作品を蒐集いくとその寄り道のひとつに日本の模倣品に出会うことになります。日本人好みに合わせて中国で作られた作品群ですのが、日本で作られたものには優品が多いのは当たり前ですが、赤絵の優品を製作していた犬山焼や京焼については見慣れてくるとある程度中国で作られたものと簡単に見分けられますが、奥田頴川の作品になると中国の「本歌の作品に迫るものがあります。
呉州赤絵写六角火入 (伝奥田頴川作)
杉箱入
全体サイズ:口径97*高さ87
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今回のような火入や鉢の作品群については、骨董蒐集している方から「奥田頴川の作品です。」と見せられることはよくあることです。なぜかしら一度としていい作品だと感じたことはありません。呉須赤絵の火入のような器になるとすぐに奥田頴川の作品と思いたくなる、したくなるものなのでしょう。数千円のものが数十万になるからでしょう。
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当方では確証がありませんが、そのような作品については、日本製や本歌の作品に箱や作品に銘を入れたものならまだいいほうで、ひどくなると意図的に作られた出来の悪い贋作がほとんどのようです。釉薬が厚くていくらなんでも重いものなど・・。
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骨董の掘り出し物へのロマンばかり追いかけていると贋作の山が出来ることになりますが、とくに地方の資産家の年配者、お寺の住職さんなどに多いようです。地方は骨董を行商で売る歩いた時代があるとかで、裕福な家の中には騙されることが多かったらしいと聞いたことがあります。
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本作品は呉須赤絵の作品としては出来のよいものだと思いますが、奥田頴川とは断定できませんね。
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胎土が非常に白いようですがこの辺が生産地の根拠になりそうです。
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箱にはあいも変わらず「奥田頴川作」(張り紙)と記されていますが、まったく確証はありません。この張り紙は剥がすこととします。
参考までに下記の作品(頴川の名品)を掲載しておきます。
参考作品
色絵麒麟菊花文水指
東京国立博物館所蔵
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赤絵飛凰文隅切膳など
益子参考館ギャラリー
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文献には下記のような説明があります。いかにもまともな説明で基本知識のようです。
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頴川の作品の特徴:
1.明の呉州赤絵の写しとは思えないほど萎縮したところが全く無い、むしろ本歌を圧倒する豪快な雰囲気があること。頴川には魚、兎、鳥、変形した龍、鳳凰をスピード溢れるタッチで描く才がある。
2.作品の底には砂が着いていることが多く、なすりつけられたようなドロドロした釉薬の特徴があり、やや青灰色を帯びた白磁釉はドロリと厚めに掛けられ、たまりが見られ、また一部掛け外しが見られる。さらに一部ではカイラギになっていることもある。
3.頴川特有の筆の走りはあたかもその人だけのサインのように他人には真似ができない。
4.頴川は作品には殆ど銘を入れず、よほどの力作でないかぎり落款はない。箱書は皆無である。
*ただし、その特徴を掴んだ贋作が存在する。村田寿九郎や頴川の門人の楽只亭嘉助らがうまいが、完全には摸作できていない。
*************************************
このような説明は的を得ているようですが、真贋の判断には却って仇になることが多いものです。「絵付けは勢いがある、釉薬は間違いない、サインはない、共箱でない。」思い込んだらその作品そのものの良さの判断を怠ることになりかねません。小生も然り・・・。
参考までに今までに縁があって手元にある呉須赤絵の鉢や火入の作品を紹介します。
他の所蔵作品 その1
呉州赤絵写五角鉢 奥田頴川作
時代箱(菓子鉢 唐絵鉢)入
全体サイズ:幅155*155*高さ70
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知識だけが優先すると贋作を手にすることが多い。
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唐津は三日月高台、ちりめんの土などというのはまったくあてにならないようです。ましては箱からはまったくなにも推察できません。いいものが悪い箱に入っている場合もあるようです。
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当方の作品もまた頴川という確証はありません。作品の出来不出来でものの良さは決まるものと思うのがいいのでしょう。いずれにしろ頴川と名乗らぬがよろしいかと覚悟しています。もはや市場には頴川作の真作はないものと思ったほうが正しいようです。
他の所蔵作品 その2
呉州赤絵写火入 伝奥田頴川作
合箱
全体サイズ:口径100*高台径65*高さ85
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ところで「頴川」という銘は力作でなくても入っていることがあります。「頴川は作品には殆ど銘を入れず、よほどの力作でないかぎり落款はない。」という記事は一般論ですが、とはいえあらぬ期待を持ってはいけませんね。ちなみに「頴」の字はこの作品の書体のように「「ヒ」の字が「止」に近い字になるのが正しいとのことです。
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骨董蒐集というのはロマンと称して、掘り出し物を見つけることが生きがいのような人もいます。「資金を投じていいものだけを信頼のある骨董商から買うのはいかにもつまらない。」という方が多いのです。とくに中国の骨董など明末赤絵の作品を買うのは骨董商を通しては非常に高い値段で買うことになりますからそれもまたいたしかたないのですが、どちらかに偏りすぎるといけないのも真実のようです
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掘り出し物を探しながら、いいものだけに蒐集作品を絞り込んでいくのがいいように思います。贋作は間違いなく入り込んできますが、徐々に排除していく努力が必要のようです。そうでないと贋作ばかりの蒐集になっていまいます。かくいう小生もその一人かな?
「買うべし、売るべし、休むべし」・・「苦労して貯めた身銭で買って、売って処分し第三者の評価を知り、蒐集を休んで勉強する。」これしか骨董蒐集の道はないようです。
少なくても大概の飾られている作品の概要は解るようになってきました。