基本的にこのような作品は未知の分野です。いつ頃の作品か、また分類は急ごしらえのものです。自分で所有しないと本気で調べたり、覚えたりしないのが当方の悪い習性でのようです。
阿蘭陀人之図 長崎絵肉筆
紙本着色軸装 軸先塗 合箱
全体サイズ:縦1560*横295 画サイズ:縦860*横265
本作品は私の収集範囲外なので詳しく知りませんが、「長崎絵(長崎版画)」というジャンルの作品のようです。詳しくはしりませんが、本作品は版画ではなく肉筆画のようです。
長崎絵は江戸時代から明治時代にかけて描かれた浮世絵の様式のひとつで、版画が多く、幕末の鎖国時代に唯一開港されていた長崎出島のオランダ人、中国人などの外国人の風俗や港の風景を描いた浮世絵で長崎版画ともいいます。
多くが長崎にある版元から出版され、当時オランダ人は出島屋敷に、中国人は唐人屋敷にのみ住んでいたので、主として、唐絵目利きをしている絵師が、オランダ人の実生活を知っており、室内の有様、食卓上の物まで写した。江戸絵と異なる点に、中国版画や西洋画から影響を強く受けた独特の雰囲気を持つことが挙げられます。延享(1744年-1748年)頃に始まり、明治時代まで続いたようです。
本作品はうぶな表具状態のようで、幕末から明治頃の作品かと思われます。それほど古くはないと思われます。
主な絵師として川原慶賀が挙げられるが、彼以外の作品は、落款などがないため、作者不詳の場合が多く見られる。肉筆画を描いた絵師として、前述の川原慶賀のほか、慶賀の子、田口廬谷、城義隣、西苦楽、松井元仲らがいます。
本作品は無落款で、作者は不明です。
長崎絵は当時、長崎にて土産品として売られており、素朴なものであり、長崎における大津絵のようなもので、本作品もそのような類の作品ではないかと推察されます。
素足の従者(植民地現地人)に日傘を持たせている長いキセルを持った異人の絵はよく見かける図柄で、定型化しており、版画のごとく簡略化されて描かれています。
顔の印影の描写のように明らかに西洋画の影響を受けた作行で、時代は江戸期から明治にかけての作と思われます。保存状態は良く、今となっては貴重な作品かもしれません。
版画に着色のようにみえそう感じを受けますが、よくみると肉筆のようです。顔や着ているものの描写には西洋画の影響を受けたと思われる濃淡による印影による描き方が見受けられます。
細かくみると良く出来ています。大量に描かれたのでしょうが、版画よりずっと面白く感じるのは江戸浮世絵と同じく、版画より肉筆画が数倍楽しめるようです。
浮世絵版画は飾っておけない、裏打ちして表具できないなど浮世絵版画は蒐集対象としては切手収集のようなもので、マニアックな点にはどうもなじめません。
浮世蒐集のようにマニアックになると細かいところにこだわり、独善的になりがちですので、これは美術鑑賞には大いに禁物です。
家内曰く「オランダ人の顔が白くて、面白い」だと・・、最近家内の「親父駄洒落」に磨き?がかかってきた
手などの表現も繊細で、ここには浮世の影響が見られます。
着物の柄は「さくら」・・・。
いずれにしろ、これも浮世絵や大津絵の分野ですが、私にとっては新分野です。
参考作品
阿蘭陀人之図
木版筆彩 版元 針屋 43.5×32.4cm 池長孟コレクション
説明によると・・。
オランダ商館長カピタンに日傘をさしかけるジャワ人と思われる従者(くろぼう)、ゴブレットとフラスコボトルが乗った盆をささげ持つ下級船員(またろす)を配する木版画。
本図は、長崎版画の中でも最初期に位置する版元「針屋」から出版された。長崎桜町にあった針屋は、長崎の大音寺の過去帳に「宝暦四閏(うるう)二月二十日桜町針屋与兵衛」と記されていることから、1754年以前から開業していたことがわかる。
長崎の異国情趣豊かな風俗、文物を題材にした長崎版画は、幕末まで多くの版元から出版され、みやげ絵として、長崎を訪れる人々に売りさばかれた。
阿蘭陀人之図 長崎絵肉筆
紙本着色軸装 軸先塗 合箱
全体サイズ:縦1560*横295 画サイズ:縦860*横265
本作品は私の収集範囲外なので詳しく知りませんが、「長崎絵(長崎版画)」というジャンルの作品のようです。詳しくはしりませんが、本作品は版画ではなく肉筆画のようです。
長崎絵は江戸時代から明治時代にかけて描かれた浮世絵の様式のひとつで、版画が多く、幕末の鎖国時代に唯一開港されていた長崎出島のオランダ人、中国人などの外国人の風俗や港の風景を描いた浮世絵で長崎版画ともいいます。
多くが長崎にある版元から出版され、当時オランダ人は出島屋敷に、中国人は唐人屋敷にのみ住んでいたので、主として、唐絵目利きをしている絵師が、オランダ人の実生活を知っており、室内の有様、食卓上の物まで写した。江戸絵と異なる点に、中国版画や西洋画から影響を強く受けた独特の雰囲気を持つことが挙げられます。延享(1744年-1748年)頃に始まり、明治時代まで続いたようです。
本作品はうぶな表具状態のようで、幕末から明治頃の作品かと思われます。それほど古くはないと思われます。
主な絵師として川原慶賀が挙げられるが、彼以外の作品は、落款などがないため、作者不詳の場合が多く見られる。肉筆画を描いた絵師として、前述の川原慶賀のほか、慶賀の子、田口廬谷、城義隣、西苦楽、松井元仲らがいます。
本作品は無落款で、作者は不明です。
長崎絵は当時、長崎にて土産品として売られており、素朴なものであり、長崎における大津絵のようなもので、本作品もそのような類の作品ではないかと推察されます。
素足の従者(植民地現地人)に日傘を持たせている長いキセルを持った異人の絵はよく見かける図柄で、定型化しており、版画のごとく簡略化されて描かれています。
顔の印影の描写のように明らかに西洋画の影響を受けた作行で、時代は江戸期から明治にかけての作と思われます。保存状態は良く、今となっては貴重な作品かもしれません。
版画に着色のようにみえそう感じを受けますが、よくみると肉筆のようです。顔や着ているものの描写には西洋画の影響を受けたと思われる濃淡による印影による描き方が見受けられます。
細かくみると良く出来ています。大量に描かれたのでしょうが、版画よりずっと面白く感じるのは江戸浮世絵と同じく、版画より肉筆画が数倍楽しめるようです。
浮世絵版画は飾っておけない、裏打ちして表具できないなど浮世絵版画は蒐集対象としては切手収集のようなもので、マニアックな点にはどうもなじめません。
浮世蒐集のようにマニアックになると細かいところにこだわり、独善的になりがちですので、これは美術鑑賞には大いに禁物です。
家内曰く「オランダ人の顔が白くて、面白い」だと・・、最近家内の「親父駄洒落」に磨き?がかかってきた
手などの表現も繊細で、ここには浮世の影響が見られます。
着物の柄は「さくら」・・・。
いずれにしろ、これも浮世絵や大津絵の分野ですが、私にとっては新分野です。
参考作品
阿蘭陀人之図
木版筆彩 版元 針屋 43.5×32.4cm 池長孟コレクション
説明によると・・。
オランダ商館長カピタンに日傘をさしかけるジャワ人と思われる従者(くろぼう)、ゴブレットとフラスコボトルが乗った盆をささげ持つ下級船員(またろす)を配する木版画。
本図は、長崎版画の中でも最初期に位置する版元「針屋」から出版された。長崎桜町にあった針屋は、長崎の大音寺の過去帳に「宝暦四閏(うるう)二月二十日桜町針屋与兵衛」と記されていることから、1754年以前から開業していたことがわかる。
長崎の異国情趣豊かな風俗、文物を題材にした長崎版画は、幕末まで多くの版元から出版され、みやげ絵として、長崎を訪れる人々に売りさばかれた。
大変面白い掛け軸の画像をありがとうございます。この絵をあるエッセイで引用したいのですが、これは、どなたかが個人で所有されているものでしょうか。または、美術館あるいは博物館所有のものでしょうか。お手数ですがよろしくお願いいたします。
掛け軸の方は、どこの所有かお分かりにならないでしょうか。
素早いご回答ありがとうございます。