夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

お気に入りの作品 双鶴図 蓑虫山人筆 その24

2022-11-28 00:01:00 | 掛け軸
今ではいい作品が市場では見かけなくなった蓑虫山人の作品。そんな状況下の中でも傑作・・。



お気に入りの作品 双鶴図 蓑虫山人筆 その24
紙本水墨淡彩軸装 軸先木製 誂箱 
全体サイズ:横645*縦1950 画サイズ:横620*縦1340

 

家内曰く、「若冲よりかわいい!」だと・・。これだけの省筆で多くの主張のある作品は描けそうで描けない・・。

 

本作品中の落款と印章は下記写真の左です。下記写真の右は当方の本ブログにて紹介している「蓮図」という作品の落款と印章です。多くの作品を蒐集することで真贋に対する判断材料は多くなります。
 
 

本作品の印章と落款は上記写真の左で、他の当方の所蔵作品の印とも一致します。

ところでこの作品、伊藤若冲の鶴に似ていませんか? 家内曰く「伊藤若冲みたい?」と最初に感想・・。たしかに・・・。

 

伊藤若冲の鶴は「双鶴図」と「霊亀図」で双幅を成す、「鶴亀図双幅」のうちの鶴が上記写真の右。2羽の鶴が画面いっぱいに描かれています。純白の羽をふくらませ首をすくめた姿の鶴は、コロンとした卵形のフォルムが実にユニークな作品です。蓑虫山人はこの作品を知っていたのでしょうか?



若冲の若冲は筋目描き(中国でつくられた吸湿性が強くて墨がにじみやすい画仙紙という書画用の紙の特性を生かした、若冲オリジナルの技法。 画仙紙ににじんで広がる墨は決して混ざり合うことがなく、乾くと境界に白い筋目が残る)と蓑虫山人の滲ませた墨の技法の対比も面白い・・・。

さて作品中の気になるシミがきれいになるやら・・。費用がかかるのでまだ修復の手配はしていません。



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