夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

リメイク 宝巳之図 松村景文筆

2017-12-14 00:01:00 | 掛け軸
真の趣味人は仕事場に趣味を持ち込まないものです。骨董類の真の趣味人は蒐集した作品を仕事場に飾ったり、並べておくことはまずありません。



蒐集した作品はきちんと整理し、自宅でも目につくところにはおかないのが基本です。当方では例えば掛け軸は桐箪笥にきちんと収納しております。



額類や掛け軸も大きさ別に収納しています。



エアコンは必須ですね。



長さのある大きな掛け軸は専用に収納棚を設けています。



刀剣は乾燥しすぎてもいけないし、湿気も厳禁です。



蒐集したものを所狭しと放置しておくことは、蒐集するものとして失格でしょう。

さて本日紹介する作品は蒐集の初期に仙台の骨董店から購入した作品です。

宝巳之図 松村景文筆
絹本金泥淡彩絹装軸二重箱 画サイズ:横292*縦242



景文の作品には贋作が多いのですが、その一番の理由に弟子が生活に困窮し師の作品を模倣したためであり、また、景文がみかねてそれを認めたことが理由のようです。



景文が印章を与えという弟子の前川五嶺は二度と贋作は制作しないと誓っという記録や、弟子が墓参り時に贋作について謝罪したという記録があります。



同じ骨董店からの購入した作品への読者からのコメントで「贋作」という指摘がありましたが、この仙台の骨董店の店主は酸いも甘いも味あわせてくれた方で、いい勉強になりました。真贋をあまり重視しては骨董の面白みがないと教えていただいたように思います。



資金があれば、いい作品をいい筋から入手できます。資金がなく掘り出し物を重視すると贋作ばかりの蒐集となります。鑑識眼を磨くにはこの間が骨董蒐集の醍醐味と考えるのが妥当のように小生は考えています。



本作品は真作。小生と息子は巳年生まれ。お気に入りの作品のひとつです。



本作品の箱に「古今書画鑑定済真本也菊池氏珍蔵印」とありますが、おそらく個人的な鑑定・所蔵印であろうと思われます。文政4年(1821年 辛巳正月とある)の作品で景文43歳の作。



宝珠と白蛇の縁起物、いい作品です。



掛け軸の裏面などには湿気によってシミが出ていますが、うぶな表具のままなのでこのままとします。あまり神経質のなって、このような状態を黴臭いと表現される御仁がいますが、そのような方には骨董蒐集は不向きですね。



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