我が家の先人達は必要に応じてお揃いの食器を揃えたようで、数多くの揃いの器が遺っています。例えば古伊万里らしき皿などがあり、その一例が下記の作品です。
古伊万里 藍九谷 墨弾羊歯文 20客揃
杉箱
口径164*高台径88*高さ33
明治期・大正。昭和初期頃に揃えたと思われる作品がほとんどですので本作品はおそらく明治期?と推測しています。
このような蝋抜きというか墨弾の技法は藍九谷の皿によく見られるようで、当時としては意外に高度な技術であったようです。
藍九谷は 江戸前期の寛文 (1661年-1673年頃 )の頃のが最盛期で、その技法は連綿と続いたのでしょう。大量生産に応じるために印版手が横行した明治期の伊万里でも、高級品の部類となるこのような丁寧な作品も作られ続けたのだろうと思います。なかなか使う機会は少ないのですが、帰郷の際に少しずつ整理しながら、鑑賞して愉しんでいます。
さて本日の作品の紹介です。
本ブログに幾点かの作品を紹介している木下孝則の作品ですが、当方では本を読んでいる女性を描いた作品をメインに蒐集しています。他の題材では裸婦やバレリーナを描いた作品も佳作があります。本日はその中からバレリーナを描いた作品の紹介です。
バレリーナ 木下孝則画 その13
油彩額装 左下サイン 黄袋+タトウ
額サイズ:縦840*横690 画サイズ:縦606*横455 P12号
木下貴教の作品では、戦後に描いた一連のバレリーナを描いた作品で注目を集めています。すきっとした透明感のある作行きが木下孝則の魅力となっています。
油性画としては省略しすぎるほどの絵となっています。単純明快な色調、その優れた描写力が独自の作風を成しています。
昭和25年頃からバレリーナを描き続けています。現代風の作風ですが、当方の好みとしてはもっと淑やかな感じが好みかな?
脚の線が美しいのが魅力的な作品ですが、女性のどこか魅力的なところを見出して描くのが特徴とされているようです。
福富太郎氏の旧蔵と思われる作品にも、木下孝則が描いたバレリーナの作品があるようです。
いつ頃に描いた作品かは不明ですが、重ねる年齢とともに技術が高まったとされています。
画中のサインは下記の写真のとおりです。
木下孝則の真骨頂はやはり女性を描いた作品にあるようですが、昭和の感じが魅力ですね。
本作品は男の隠れ家に持ち込んで飾っています。男の隠れ家はトップライトと吹き抜けの組み合わせを玄関とリビングで行っていますが、陽がさすので日本画や版画は飾るのは控えています。
不思議と和風にも似合う作品ですね。