夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

銀河釉 茶碗 中尾哲彰作 その6

2015-11-18 05:18:47 | 陶磁器
家内は本を集める?ことが好きなようですが、小生は引越しのたびに処分しており、写真と本はそれほど所持していません。よって今回の引越しでは家内と本の整理について意見が合わずに衝突を重ねることとなりました。

なんとか折衷案で在庫の本の数が決まりましたが、家の本棚はこれ以上収納する場所がなくなりました。もともと家にあった本も小生に片付けられる始末・・。小生はなんとか立派な本棚に骨董を飾るスペースを作ろうと・・



本日は「中尾哲彰」の作品の「その6」です。遠州流ではよく使用される中尾哲彰の茶器で、海外でも高く評価されていますが、日本国内ではまだまだ認知度が低いように思われます。

銀河釉 茶碗 中尾哲彰作 その6
銘「繁栄」 共箱 共布
口径144*高台径52*高さ85



銘の説明には「いつの日もいつの時代にも陽が昇り、日本を黄金色に輝かせるような姿。未来永劫、家族、子々孫々の時代まで、繁栄、発展し続ける願いを込めて制作いたしました。」とあります。陶工が自ら銘々した作品です。このように陶工が命名した作品は加藤唐九郎のように珍しくありませんが、そう数は多くありません。



陶歴に2010年まで記載のあることからその当時頃の制作と推察されます。



高台内に刻銘があります。



陶工による箱書は茶匠など所持された方が箱書できるように今回は正面などどこなの面にはなにも書かないのが原則です。



本体は非常に薄く成型されており、轆轤の技術の高さが推察されます。このような窯変する器は高温度で焼成されるのでより高度な轆轤の技術が要求されます。



釉薬の垂れも高台の手前で止まるようになっていないといけません。



見込みの釉薬の溜まりは多すぎてもいけません。



茶器における茶碗というものは非常に難しく、なんでも茶碗に使えるというものではありません。大切なのは真贋よりもその茶碗に備わるべき品格というものです。



偶然性で生まれる確率よりも意図的に生まれる可能性が高いものかもしれません。



本作品を欄間として入手した屋久杉らしき板の上に置いてじっくり鑑賞してみました。インターネットオークションでいろんな材質の端材を集めています。



この材料を何に使うかって? また構想が膨らみ始めています。ともかく倉庫改修で資金を使い果たしましたので、また資金を貯めなくてはいけません。骨董をまたまた処分・・・



骨董は自然の産物を人間の手を経てどういう作品になるかで大きくその使用価値が変化します。ブランド品とはまったく違う産物ですね。骨董には「未来永劫、家族、子々孫々の時代まで、繁栄、発展し続ける願い」のように祈りが込められています。

え~と、端材は楓、櫻、杉・・・、木は日頃より見ていないと何かよく解らなくなりますね。



骨董には人間の怨念、執着があると言われることもありますが、本来は祈りのように私は思います。人は出世欲、金銭欲、名誉欲などの欲があるものですが、いろんな経験を積むことでそのようなものより大切なものがあることにいつか気がつくものです。それが自分の力の及ばざるところにあることを悟り、そして願いが祈りとなっていきます。ま~、一生気がつかない人もいるようですが・・ 

おっと、小生のことですか、睨むなよ



ところで本の整理は結局、端材を集めて本棚を作ることになりそうです  小生の骨董の収納スペースを減らされそうなので骨董の収納スペースとほぼ同じくらいになりそうです














最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。