夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

滝猿之図 御船網手筆 その3

2017-06-09 00:01:00 | 掛け軸
「よこしまなる親子」になにやら物騒な宅急便が届きました。家内は「刀?」



送り主は輪島工房・・、修理を依頼していた刀剣の鞘が出来上がったようです。

玄関先で荷を解き、早速出来上がりを確認します。その様子を三歳の息子がデジカメで撮影してくました。



「ね~、ほうちょうを見せてよ!」・・・、息子は刀剣類をいつも「ほうちょう」と称しています。拵えの部分になりますので、刃の部分は竹光です。ご安心を・・・。

鞘の修理の出来の詳細は後日・・。


本日の作品は植物が得意とされる御船網手の作品で猿を描いた作品です。当方には御船網手の作品では以前に投稿した「猛虎図」の作品が二点あり、動物を題材として作品に当方は縁があるようです。

本日紹介する作品は「猿」という動物を題材とした作品ですが、周囲に描かれた植物には植物を得意とした御船網手の片鱗が窺えます。

滝猿之図 御船網手筆
絹本水墨着色 軸先骨 合箱
全体サイズ:縦2005*横555 画サイズ:縦1072*横411



他の所蔵作品である「猛虎図 その1(1917年 大正6年 41歳作)」と同一印章が押印されており、同一時期の作と推察されます。



「猛虎図 その1」、「猛虎図 その2」も佳作ですが、本作品もまた出来の良い作品と言えますと思います。



良くみかける森祖仙などの大家の贋作よりもこのような作品の方が心落ち着きますね、



本作品の購入理由、「義父の干支は猿、家族は五人」・・・・



骨董にはきちんとした購入理由が要りますが、純粋な動機が一番よいようです。このような動機を純粋な動機と呼ぶかどうかは知りませんが・・・。



滝を描くことで涼しげな逸品となっています。

御船綱手の作品はインターネット上にも紹介されています。その中に加島美術からの出品で下記の作品の紹介がありました。

加島美術の今月(2017年5月)の逸品より
桜藤双猿図 御船綱手筆
絹本 着色 151×84cm / 207×101cm 



評:「桜に藤につつじの花。そして桜の木の枝でひと休みする猿の親子。千種余りもの植物を画室の周囲に植え、植物画の研究をした綱手の精緻な写生がよく表れる本作。遠近法を巧みに活かし、春を代表する花が咲き乱れた幻想的な世界が、より一層強調される。あたたかな春を楽しむ動植物の、なんとも不思議な生命力あふれる一幅。」

本作品もまた「滝の前で涼む五匹の猿」、いかにも涼しげで良いではないですか。骨董の作品には購入する明白な理由が要るのです。

経験から「作品が呼んでいる。」とか「なんとなくいい。」という理由は良くないようです。

「よこしまなる」親子は朝から「なが~い」ものばかり・・・・


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