夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

瀑布図 平福百穂筆 その128

2024-10-02 00:01:00 | 掛け軸
本日は平福百穂が描いた大正末期から昭和初期の作と思われる作品の紹介です。



舟山三朗のよる鑑定書が添付されています。



瀑布図 平福百穂筆 昭和初期 その128
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 舟山三朗鑑定書在中 合箱  
全体サイズ:縦2140*横560 画サイズ:縦1235*横420

 

独特の筆遣いの作品ですね。



この頃から平福百穂の南画の作品は独特の発展を見せ始めています。



それ以前に数多く描いていた松の描き方も少し変化していますね。



古来より描かれている高士観瀑図の構図です。



昭和南画と称せられる平福百穂の作品。



人物部分にちょっとしたシミがあります。



作品には平福百穂の門下であった舟山三朗氏の鑑定書が同封されています。平福百穂の所定鑑定は子息の平福一郎氏でしたが、それに準じる鑑定となります。一部にはあまり信用ならないという人もいるようですが・・。

現在では東京美術倶楽部が所定の鑑定機関でしょう。郷里の秋田美術倶楽部の鑑定もありますが、こちらは一般的ではないようです。



舟山三朗は日本画家、平福百穂と同郷で秋田県生です。平福百穂に師事し、日展・文展・帝展入選しています。代表作に「田尻湖伝説」「道」などがあります。平成3年(1991年)歿しており、享年は82才ですので、この鑑定は亡くなる2年前ということになります。

 

上記の印章(上写真右)については、当方の所蔵作品では「年魚」・「栗鼠図」の箱書の印章、「渓流鮎」の作品中の印章と同一印章です。このような資料の少ない印章などは蒐集により、作品の真贋を含めて、描いた時期までが徐々に判明してきます。



本作品は古典的な題材と構図でありながら、平福百穂ならではの作風の作品と言えるでしょう。







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